特集記事

理路雑然 /-16-

2014年09月20日(土)

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理路雑然

 高校時代に陸上競技をしていたが、県大会では大きい学校ほど強かった。単純に、千人に一人優秀なのがいるとしたら分母の人数が多いほど強くなると思っていた。ところがダントツの記録を出すのは小さな離島出身者などで不思議でもあった    オリンピックも、おおむね大きな国が強いが、そうとばかりも言えない。インドは世界第2位の人口だがスポーツはさえない。文化のレベルはより多数の人口ほど高度になる訳ではなさそうだ。古代の人口は現在より少ないにもかかわらず、現在では作れないほど高度の芸術・工芸が発展した 

  全体の人口で考えるのは間違いだ。その分野の人口とか優れた指導者や技能の継承と蓄積が大きく影響するのだろう。食糧事情、基礎体力、精神性、経済的魅力、教育程度や器用さなど発達の尺度が違うのでなかなか難しい 

  日本の人口は8世紀奈良時代頃に5~600万人、現在の5%だ。1000万人を超えるのは15世紀以降、江戸時代前半から増え始め19世紀に3000万人に達したとの研究がある。それでも現在の4分の1だ 

  体力も長崎から江戸へと徒歩だけで往復したり、小さな体で重い刀を振り回して戦をしたりと驚くばかりだ。文化工芸のレベルやセンスも現代人はかなわない。精神性や道徳律、品格も現代人は劣っている感じがする 

  長崎がんばらんば国体がいよいよ開幕する。我が県の人口は全国のおよそ1%、47都道府県平均は2700万人なので約50%と少ない。だが少ない人口の県でも強いところがある。大きい県に負けないよう期待している。


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