理路雑然 /-26-
2015年02月07日(土)
特集記事
理路雑然
たまたまNHK教育の高校講座・地理「飽食と飢餓」を見てうなってしまった
現在世界の人口は72億以上。その内栄養不足などで飢えている人口は1割を超し、8億4000万人が苦しんでいる。その背景は貧困、飢饉、失政、内乱、バッタ被害など様々だ。世界各国からの食料援助も追いつかない。アフリカの子供たちが栄養失調で衰弱している映像は心が痛む
ところで世界で生産される穀物(小麦・米・トウモロコシ)の生産総量は23億トン。その内、人が直接食料とする量は46%。それなのに「飢え」があるのはなぜか
穀物は食料だけに使われている訳ではない。人が直接食料とする以外に35%は牛・豚・鶏の飼料になっている。つまり穀物は肉や卵となって食料になる。またトウモロコシは車の燃料となるバイオエタノール原料に使われる。安く食料に回すより、市場メカニズムはその方を選択する
トウモロコシの生産世界一はアメリカだ。そしてなんとその輸入世界一は日本だ。私たちが食べている肉や卵はアメリカのトウモロコシに支えられている 日本の食糧自給率は40%。そのため世界一の食料輸入国だ。しかも「贅沢」「無駄喰い」「食べ残し」と、飽食への非難が強い
よく言われるが、マグロの養殖にはアジやサバなどのすり身が使われている。マグロの刺身一切れは小魚何百匹を食べることと同じだ。鰯一匹でいいものを…「霜降りステーキ」とか「トロ!」などと言いにくくなった。