理路雑然 /-36-
2015年06月27日(土)
特集記事
理路雑然
イスラム教と言えば、アメリカ同時多発テロやIS(イスラム国)の人質殺害、過激派による各地テロなど怖い宗教のイメージがある。世界のイスラム教徒はキリスト教(22億人)に次ぎ16億人。地域割合はアジア太平洋に6割、中東北アフリカに2割と広汎にわたる。2030年以降には教徒数世界一になりそうだ。信徒の出生率が高く、神の下での平等、大部分は穏健で他宗教への寛容さがあるからという
本来政教一致の教義だがトルコのように政教分離(世俗主義)の国もある。創始者のムハンマド没後、その子孫が指導するシーア派と、共同体の総意によるとするスンニ派に分かれた。浄土真宗(西)本願寺と(東)本願寺みたいなもの?
六信五行という厳しい定めがある。唯一神アラー、経典としてコーラン、旧約聖書。神の声を伝えた預言者をムハンマド、モーゼ、イエスとする
実はユダヤ教とキリスト教、イスラム教の神は同じ神だ。同じ神だが、イエスは神か預言者か?、「新約聖書」「コーラン」の存在は?、また信徒の信条・義務などに違いがある。アルコールや豚肉がダメというのも
中東・北アフリカ地区のイスラム原理主義・過激派との紛争は、宗教対立と言うより、欧米諸国の植民地支配の歴史や社会格差、石油を巡る利権の争いと言える。我が日本もその片棒を担いでいる。メディアは過激派テロの残忍さや難民の困窮は伝えても、欧米諸国と国家指導者が手放さない利権については伝えることが少ない。