理路雑然 /-45-
2015年10月24日(土)
特集記事
理路雑然
江戸時代の大名は参勤交代で一年おきに江戸とその領地を行き来した。妻子は江戸にいて国元には行けなかった。つまり幕府の人質だ。そのため世継ぎの子は領地のことは知らないまま「江戸っ子」として育った。領主を継いで初めて領国を見ることになる
似たように、現在の国会議員も広い意味で「世襲」「江戸っ子」が多く、本当は地元との関わりは薄い。国会議員の約三分の一、自民党に至っては五分の二、内閣は半分、親族が元国会議員だ。国会議員は国政の代表であると共に地方の代弁者でもある。「江戸っ子」議員 が地方を語るには、地方の悲哀と苦労を充分に理解して欲しいものだ
政治家は俗に、ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)の3つのバンが必要と言われる。バンのない者が国会議員を目指すのは難しい。政策や資質、能力で選ばれることが理想だが、後援組織、知名度、選挙資金に依存しているのが現実だ。悪いと言っているわけではない。子供の頃からその厳しさを見聞きし、使命感と人脈を身につけていることは大きな資質だ。民主主義はコストが掛かる。良い悪いは別として三つのバンは、そのコストを最小化する 世襲が多くその方がいいものがある。歌舞伎役者、警察官、自衛官、職人、医者、坊主、芸能人などだ。いずれも育った環境で身につけたものが役に立つ
建設業経営は厳しい時代が長く、会社オーナーの多くは子供に後を継がせたくないと言っていたが、今はどうなのか。