特集記事

理路雑然 /-49-

2015年12月19日(土)

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理路雑然

 平成政治史1(後藤謙次著)を読んでいたら、27年前竹下内閣の時の「ふるさと創生事業」のことが書かれていた  

今、安倍内閣重点政策の一つ「地方創生」に期待の声が多いが、名前が「地方創生」と「ふるさと創生」と似ている。「地方創生」の目的は地方の人口減少歯止め、首都圏人口集中是正、地方の自律的な活性化だ。「長期ビジョン」と「総合戦略」では、地方の安定雇用創出を重要視し、本社機能移転を促す税制措置や、外国企業誘致に意欲的な地方公共団体の支援などの政策が盛り込まれた。といっても今のところ迫力と具体性が見えない   

「ふるさと創生事業」(自ら考え自ら行う地域づくり事業)は各市区町村に対し地域振興の為に一律一億円を交付した政策。バブル経済まっ盛りで国も気前が良かった。一億円の使い道は自由。一億円を受け取った各自治体は、観光整備などへ積極的に投資し、地域経済の活性化を促進した。と言えば聞こえは良いが、「温泉掘削」「村営キャバレー」「イカモニュメント」「つくば音頭」「自由の女神像」「巨大土偶」「日本一長いすべり台」(完成3日後に日本一の座を奪われる)「世界一大きいこま犬?」「預金」(15年間で6千万円の利子)「金塊」(金の高騰で2億円に)「純金のカツオ像」「純金こけし」その他箱物建設に費やしたりと、笑い話にされるものも多かったが、楽しかった   

今度の「創生」はプレゼントなし、あの時ほど甘くはなさそうだ。


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