特集記事

理路雑然 /-54-

2016年03月05日(土)

特集記事

理路雑然

 最近業界新聞にICTという言葉がよく登場する。information and communication technologyの略で情報通信技術と言う意味。日本では、情報処理や通信に関する技術を用語としてITが普及したが、国際的にはICTが多く使われている   

国交省は建設現場の生産性向上を図るため、i-Construction委員会を発足させた。ICTを活用した建設工事という意味だ。労働者一人あたりの生産性を5割向上させると言う。背景にはこれからも労力不足が一層進むという背景がある   

生産性5割引き上げと言うことは、同じ量の仕事を3分の2の人数で出来る、あるいは同じ人数なら5割増の仕事がこなせることだ。そのことによって、企業利益、給与引き上げ、休暇など就業環境の改善、事故減少を目指している   

これまでも雲仙普賢岳災害に伴う仕事ではリモコンによる無人化施工、小型ヘリコプターによる測量設計、掘削土量の管理、センサーによる出来高管理、構造物のプレキャスト化などがあった。いずれも大型で単純な作業が多かった。生産性5割引き上げには小型工事や複雑な作業も、設計時点で省力化を意図したものに変えていく必要がある。我々もICT機器の習得やデータ分析処理を身に付けなければならない   

間知ブロックが使われる前の間知石を一つ一つ積んでいた時代があった。地山の掘削も人手による時代を覚えている。建設は生産性向上の歴史だ。それがこれからすべてのプロセスで飛躍的に進もうとしている。大いに期待する。


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