理路雑然 /-70-
2016年10月08日(土)
特集記事
理路雑然
プロ野球2016パリーグは日ハムファイターズが優勝した。北海道が元気になっている
観光で「網走番外地」で有名になった網走刑務所に行った。今は刑務所としては使われていないが、その歴史が興味深かった。当時の施設は復元され、歴史を伝える博物館がある
服役した囚人は未開の地に道路を作る作業に従事させられた。北海道は先住民であるアイヌと本土から移民、屯田兵で人口が少なかった。当時帝政ロシアは南下政策をとっていた。その為明治政府は早期に北海道を開発し、国防の必要に迫られていた。それには先ず道路を作ることが急務だった。酷寒の地での労働は厳しく、囚人と看守に多くの犠牲者を出した。従事した囚人1200人の内211人が栄養失調と寒さで命を落とした
北海道はざっと言うと九州の倍以上の広さがあるが、人口は半分以下。札幌、函館以外は町の中心地でも人はまばらだ。北海道に作った高速道路を、熊と狐しか使わないと、無駄遣い扱いした国会議員や大手マスコミがいたが、その道がなければ隣の町に行くにも不便な広大なところだ。高速や有料道路の利用率と利益率が低いのは、札幌などへの接続が悪いせいだ。道路は繋がってこそ使われる。高速道路網を細かく全国に行き渡らせることは、直接利益が出る出ないに関係なく、国家にとって必要なことだ
北海道の道路事情は悩ましい。それは我々地方が抱える問題でもある。平和にぼけている身だが、道路は国防であり国民の命と生活の基本の基本との思いを新たにした。