理路雑然 /-73-
2016年12月03日(土)
特集記事
理路雑然
世界チャンピオンだった選手が失敗し負けたときのセリフに「私も人間ですから」と言うのがあった。つまり人間は間違え失敗するものだ
AI(人工知能)が加速している。人を助けるのがロボット。人に逆らうことはしないと言うのが、鉄腕アトムを作ったお茶の水博士の言葉だったが、段々怪しくなってきた。機械を操作するのは人間だとは過信に過ぎないと客観的数値は示している。自動車事故の9割以上は人為ミスで、自動運転システムの普及で大幅に減らすことができるらしい。機械は人間より判断ミスが少ない。まだ複雑な交通状況では人に代わらないといけないがこれも時間の問題。AIは人間みたいに、カッとせず、疲れず、ぼけず、失敗から次々と知恵を蓄積するからだ。CMの「やっちゃえ日産」の世界だ。すこし淋しいがドライバーという言葉も、運転免許証も不要。いずれは人による運転は禁止され、単に移動空間の装置となる。そこでやっと、自分で動く車、つまり自動車になる
建設産業においても、情報化・新技術・自動施工化・省力化・生産性向上など、人に代わり機械が占める役割が進んでいる。人力や技能・経験から、情報の集積による分析、技術と機械操作への移行だ
人から愛される人間は失敗が多い。失敗は人間的で愛すべき個性なのだ。しかし人の経験的判断を必要としない技術は急速に進歩しそうだ。それでも本当に役立つものは、失敗も含め人らしさの知恵にあると信じている。それに機械も誤動作(失敗)があるからね。