特集記事

理路雑然 /-77-

2017年02月18日(土)

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理路雑然

バレンタインデーが近づいてきた。今や義理チョコか、お返しのホワイトデーのプレゼント狙いばかりで寂しいが、まあいいか。どうせ貰ったチョコも女子供に取り上げられるし  

贈る「もの」より、贈り方が大切との名言がある。プレゼントは中身より、渡す時の状況で思いが伝わると  

中学の頃読んだ、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」を思い出した。若い夫婦のジムとデラは、貧しいけれど互い愛し合って暮らしていた。ジムの宝物は先祖代々伝わる金の懐中時計、デラの自慢は美しい髪の毛。クリスマスイブの日、デラは愛する夫にプレゼントを買うお金がないことを悲しみ、自慢の美しい髪を切ってかつら屋に売ったお金で、ジムの時計につけるプラチナの鎖を買った。一方ジムが用意したデラへのプレゼントは、デラがあこがれていた自慢の髪を飾る美しい鼈甲のくしだった。ジムは宝物の時計を売ってそのくしを買った。鎖をつける時計はなく、くしが飾る髪はない。悲劇であり喜劇だが感動的だ。お互いのクリスマスプレゼントのために自分たちの最も大切なものを売ってしまい、一見無駄に終わってしまったのは愚かだが、彼ら夫婦こそ最も賢い贈り物をしたのだ。自分の一番大切にしていたものを犠牲にしてまで、愛する者を喜ばせようとした、その「思いやりの心」を互いに受け取った。贈るのは物ではなく心だ  

物でしか思いを測ることが出来ないのは寂しい。それでも値段高い物の方がいいって?現金ならもっといい?そうでしょうねぇ。


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