理路雑然 /-78-
2017年03月04日(土)
特集記事
理路雑然
料亭の席上、隣の人が刺身を眺めて首をかしげていた。どうしたのですかと訊くとここの板前は左利きだという。刺身はお客が取りやすいよう皿に盛るため、右で切り、左から刺身を並べる作法が正しいのだがそれが逆なので左利きだという。ホント?
説明によると、もともと日本で使われてきた和包丁は片刃が多い。魚を骨に沿っておろせることや切断面も美しいからだ。そのため刃の付く方向により利き手が影響し、利き手が反対の場合では使えない。板前修業時代に右手を使うよう指導される。日本の板前は全部右利き説だ。とは言えやはり利き手の方がコントロール出来るので、左利き用の特注包丁もあるそうだ。きっとこちらに疑いの表情が出ていたのだろうが「目上の者の話は面白がって聞け」と説教された
私たちの知識は少なく狭い。その世界あの世界の話を聞くとなるほどと興味深い。自分の知識だけで簡単に判断するのが怖くなる。建設業も狭いようで広い。他業種の人に話を聞くとへぇ~と驚くことが多い。コミュニケーションは大切、知らないと恥をかく
西洋式の包丁は両刃が多い。また刀身の両側に刃があるものを諸刃(もろは)と言う。諸刃の剣(つるぎ)とは相手に打撃を与えるが,自分も同じくらいの打撃を受けるおそれがあることを言う。アメリカのトランプ新大統領の発言を聞くと、諸刃の剣でチャンバラをやっているようだ。これまで自国に都合良くルールを作り、最も恩恵を受けてきたはずなのに。トランプのジョーカーのジョーク(冗談)ですかね。