理路雑然 /-97-
2017年12月02日(土)
特集記事
理路雑然
大学で学んでいたとき「画面構成」の授業で、30㎝角の中を円と直線で分割しデザイン構成せよという課題があった。提出した作品を教授が論評するのだが驚いた。「君の下宿は3畳程だね」「あなたは広い部屋にいるね」と言い、これが当たっているのだ。当てずっぽうではなく、作品を見れば解ると
鯉は池の広さで成長の度合いが異なる。勿論餌や酸素量もあるが、水槽で育てると大きく美しい錦鯉にはならない。金魚も条件が整えば化け物みたいにでかくなる。まさかメダカやキビナゴはマグロみたいにならないし、鯨は浴槽で飼えるほどにはならないが
人も環境が作る。どんな優れた素質があっても、それを育てることが出来なければ大きくならない。そういう意味で若者が入社した後どう教育するかは大切だ。企業は人手不足で入職活動に熱心だが、定着のためにも入社した後が大切だ
先日、企業経営者と県の担当課の意見交換があった。県の新卒予定者調査で、望む職場について、休日残業、給与、優しい上司など様々な希望が説明された。ある社長が「要は彼らは働きたくないと言うことですね」と率直な意見を言った。彼らが望む姿に合わせて我々を変えるのか。仕事とは初めは辛いもの。苦労を重ねてやりがいになっていく。安易とも言える希望に合わせないと来てくれないのか?との悩ましい疑問だ
アンケート結果を鵜呑みにしてはならない。私たちがどのように仕事に向かい合っているのか。その姿が入職を促し、教育の一環になって欲しいものだ。