特集記事

理路雑然 /-101-

2018年01月27日(土)

特集記事

理路雑然

チャールトン・ヘストン主演の「猿の惑星」という映画があった。宇宙飛行から帰路の途中事故に遭い、地球に似た惑星に不時着する。そこは猿が支配していた。人間らしい生き物はいるが、知能は低く奴隷的存在だ。猿の世界の「聖典」は、ある区域には入ることを禁止していた。実はそこには猿たちよりはるか昔に繁栄した生き物の痕跡があり秘密にされていた。高度な文明があったことを知っていた猿のリーダーは言う。「それならば、なぜ人間は滅びたのだ?」「人間は害悪だ」。最後のシーンでは禁止区域の海岸に自由の女神の残骸があった。たどり着いたのは人類が滅びた地球だったのだ 

映画「不都合な真実」では人間の活動が地球の温暖化、自然破壊を招き、自ら滅亡へ邁進していると訴える。その科学的な調査や分析に基づく警告も、国や企業の利益を優先する政治によって矮小化される。将来よりも今の欲望に動く人の愚かさは本能なのか。猿の「聖典」は知恵の書だったのだ 

突然だが、日本における「不都合な真実」は「人口減少・高齢化」だろう。将来人口の年齢別男女構成の予想は正確だ。それを基に、保育園、学校、就業人口、国家財政、医療費、年金などは予測可能だ。国の破滅に向かう将来は、政治が取り組むべき優先課題にも拘わらず、その姿勢は消極的に思える。解っていても票にならない、先のことは知らないと諦めているのか。メディアはゴシップ記事は後回しにして、政治家と政党に先ずこの難問への政策を求め議論を深めるべきだ。


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