特集記事

理路雑然 /-104-

2018年03月10日(土)

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理路雑然

電車の席を譲られても、直ぐに降りますからと断る高齢者が多い。プライドがある年寄りが増えた 童謡「船頭さん」の歌詞は、「村の渡しの船頭さんはことし六十のおじいさん・・・♪」。太平洋戦争が始まった頃に作られた歌。当時の感覚で言うと六十歳はお爺さんだった。思うと昭和60年頃までは役所や企業の定年は55歳が多かった。その後、法律で60歳が努力義務になり今や定年があるようなないような時代に入った 

六十以上でも、孫からお爺ちゃんお婆ちゃんと呼ばれるのはいいとして、そう呼びかけるには睨まれそうで使いにくい言葉だ。しかし子供や若い人から見るとどんなに化けても見破られる。若くはなくても若々しさは必要だ。話題や感情が鈍くなったり、頑固になったり、同じ話を繰り返したりはもうろくした証拠だ 

涙もろくなるのも兆候だ。生物学的?には老化により大脳の前頭葉の機能低下で感情抑制のコントロールがユルむからだそうだ。しかしこれは悪くはない。若い時は解らなかった人の悲しみや喜びを感じ取り感動するのは、歳という豊かな経験があるからこそだ。人の涙が伝染する共感の涙もいい。東日本大震災のテレビ報道には随分泣いた。幼稚園の運動会で懸命に走ってる園児の姿にも涙がにじむ。歌謡曲には涙が多く登場する。「酒と泪と男と女」の女の涙は脳構造上の問題で別。「さらば涙と言おう」 年はとってもお船をこぐ時は元気一杯艪(ろ)がしなるソレギッチラギッチラギッチラコ。脈絡のない駄文も「歳」のせい。


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