特集記事

理路雑然 /-105-

2018年03月17日(土)

特集記事

理路雑然

数年前から手にするお札、特に一万円札が折り目のないピン札が多いと感じていた。知っている銀行マンにそう言うと、気のせいでしょうと言っていたが調べてくれた 実はこれは正しかった。一番大きな理由は「タンス預金」が増えていることだ。ざっと言うと国内に貯め込まれているタンス預金は40兆円を超えるそうだ。国家予算の半分近くで年々増えている。国民一人あたり約81万円になる。身に覚えがない?もちろんそうでしょう。限られた資産家が銀行ではなくどこかに多額に隠匿している なぜそんなことが起きているのか。背景は様々ある。低金利政策で定期預金などの利息が低く銀行預金するうまみがなくなったことや、株など証券はリスクがあることが大きい。一方マイナンバー制度が徹底されれば預金や資産は明らかになり、相続課税強化や消費増税など課税強化の不安、高齢者が将来に備え貯蓄に向かう心理などからタンス預金が増えている 

千円札で大量にタンス預金する人は少ない。帯封の百万円の束は、もともと出所が記録に残っている。つまり折り目のある一万円札が多い。すると一万円札が不足するので、利用数を考慮し日銀は一万円札を新たに印刷し調整する。つまり千円札対比で一万円の数が増えてくる。直近2年間のデータにそうある 

低金利政策や財政健全化策、マイナンバー制度などお上の企みより国民の方が逞しい。このような傾向は不景気と密接に関係する。回らないカネが増えるからだ。貯めないで使いましょう。持ってる人は。


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