理路雑然 /-110-
2018年05月26日(土)
特集記事
理路雑然
人類学は面白い。専門用語は無理なので、自己流に人と他の生物の違いを考えてみた
人は熱中する遊びや好物、惚れた○、歌や政治家、そして満足していた現在にもすぐに飽きる。「飽きる」という本性は人間だけらしい。他の生き物は千年万年同じものを食べ生活し繁殖してきた。飽きないことが大切だった。自然界は自らは進化しない。生物は雄大な時間をかけてほんの少しだけ進化する
「成長」「発展」を目指し新しさを求める「飽きる」性質を人間が進化のどの時点で身に付けたのか。火や道具を使い始め、やがて農業社会、産業革命と変わっていく原動力は「飽きる」という性質だったのかも。人間は何かに挑戦しないではいられない。できなかったことを出来るように
今や科学者は「想像できることは全ていつかは実現できる」と自信を深めている。確かに宇宙、医療、技術、農業、経済など様々な分野で、科学技術はめざましい成長と進歩の恩恵を与えてきた。神の領域だった生命さえ作り出し、進化を自律しようとしている
ところが生物としての人間は全く変わっていない。ケダモノの時代と、今の脳と体の生物学的構造は同じだ。社会性、道徳、知能は得たが、本能は変わらない。欲望、愛情、怒り、妬み、攻撃性などは、相変わらずだ。どれほど利口になり着飾っても猿は猿
やめられない止まらない人間は、そのへだたりの故に、滅びるまで「飽き」ながら前進する。ギャップを埋め自制するほど人間は利口ではないのだ。謙虚さも人の知恵なのだが。