特集記事

理路雑然 /-124-

2018年12月22日(土)

特集記事

理路雑然

建設業協会は昨年から、長崎新聞の就職情報紙に一面広告を半年間掲載している。ありきたりの就職案内と趣を変え、ふるさとで就職し働くことの幸せを、イラストと文章で「じんわり」訴えるイメージ広告だ 

その背景には、新卒者の多くが県外や他業種に就職していることがある。給与や休日・労働時間問題を向上させていくことは当然としても、まずは「ふるさと」に残る意味を感じてもらいたいと考えた。反応が良かったので冊子にまとめ高校などに送ることにした。以下はその巻頭の言葉 

ひとりひとり「ふるさと」は違う。友人であったり、風景であったり、なじんだ味であったり、お祭りであったり。ふと忘れていた「ふるさと」に出会うとき思う。「ふるさと」はいいなと。そんな幸せとは「なる」ものではなく「気づく」もの。「ふるさと」の道や橋や建物をつくるため、ふるさとはきみをまっている。「ふるさと」がわたしたちをつくってくれた。わたしたちが「ふるさと」をつくっていく。ふるさとでいっしょに仕事をしよう 

求人広告に書かれている給与、就業条件を都会の大企業と地方を比較すると、明らかに地方は劣る。しかし家賃、交通費、食費などを考えると大きな差はない。何よりも人との関わりが違うのだ 

未来に希望を抱く若者が、都会を目指し旅立とうとすることは理解できる。しかしそれ以上の豊かさが、ふるさとにあることを知ってほしい。そう考えて作った広告だ。機会があれば目を通してほしい。


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