理路雑然 /-127-
2019年02月16日(土)
特集記事
理路雑然
明治維新150年、佐賀では記念の催しが行われていた
当時の佐賀藩の殿様(鍋島直正・閑叟)は西洋かぶれと言われるほど外国の科学技術に興味を示し、蒸気機関車、蒸気船、アームストロング砲を作らせた。その費用は多額で、殿様の命令とは言え財政を預かる藩の金庫番泣かせだっただろう。しかしアームストロング砲の威力は大きく、幕府軍を吹っ飛ばした。薩長土肥の「肥」はもちろん肥前の肥だ。殿様の号令一下、新時代を作った
さて現在の機関車、長崎新幹線はフル規格をめぐり、佐賀県が慎重で足並みがそろわない。予定のフリーゲージトレインが絶望的になり、フル規格変更による費用の増大に佐賀県は過重負担となるためだ。県全体の予算に占める割合が大きく、ほかの予算が圧迫される。経済界の要望は大きくても、全体を見る立場では安易な同意は出来ない。佐賀県内でも直接利用しない地域の関心は薄いという。我が県も人ごとではない。土木費に占める割合と影響は大きいからだ
佐賀藩は人材の育成にも努めた。大隈重信、江藤新平、佐野常民など逸材を輩出した。将来を見通した人材投資の果実だ
整備新幹線の各県負担は、その県にひかれる路線の費用が基礎になるのだろう。しかし各県の財力とその費用は比例しない。前も新潟県が負担をめぐり滞った。そもそも東海道新幹線は通過各県の負担はなかったらしい
さて現在の佐賀の殿様はどのように未来への号令をかけるのだろうか。