特集記事

理路雑然 /-131-

2019年04月06日(土)

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理路雑然

5年ぶりに県海砂採取限度量検討委員会にオブザーバー参加した   

砂は生コンなど骨材に欠かせない。我が県は川砂、陸砂はないが、他県がうらやむ海砂(主に壱岐砂)の資源がある。優れた品質で、大量に利用されてきた   

しかし海洋資源への悪影響が懸念され、この5年間、採取量の上限を平成11年採取量の600万立方㍍から順次250万立方㍍と引き下げてきた。採取船はGPSやポンプ稼働記録によって管理される。一層の制限は砂採取業者の経営不安ともなる   

関係漁業者は概ね採取に消極的だが、代償の漁場改善費も期待する。魚介類への影響調査が続けられてきたが、採取地域、魚の種類、海流や海温の変化、くぼみの貧酸素状態の自然回復など複雑に影響し、因果関係は判然としない   

県の採取事務要領には「県内供給を原則」とあるが実際は採取量の40%は県外に売られている。これは他県からの石灰岩など骨材との関係や比較的安い海砂の価格が理由にある。もし、「県内供給を原則」と生産各県が制限すれば、セメントや特殊資源など途端に困る  

全国的には海砂をやめ、採石を粉砕して作る砕砂が多い。砕砂はアル骨反応や生コンの流動性が足かせだったが、配合比率や減水剤、フライアッシュ添加で期待が持てそうだ  

だが、実は砕砂製造は自然砂と比べエネルギー消費が大きい。自然砂も砕砂も自然破壊という意味では同様だ。あとは、取り返しのつかないよう、恐る恐る自然を使わせてもらい、国内調達し合うのが結論だろう。


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