特集記事

理路雑然 /-137-

2019年07月27日(土)

特集記事

理路雑然

お寺の坊さんが教えてくれた話。まぶたを閉じれば何も見えないのは当然だが、壁に貼った日の丸をしばらく見つめたあとまぶたを閉じると、黒い背景に緑色の丸が見える。トランプでやってみるとハートの数が分かるくらいはっきりと浮かび上がる  

今見えているものが全てではない。それはまぼろしかも。見た目だけではなく心で見るのですよと言うのが坊さんの教えだ  

赤い画像を見たあとはそれが緑に見える。中学の授業で教わった色環の反対色(補色)だ。目から入り網膜に投影された映像は強いほど残像が残る。太陽を見たときは目をつぶると黒い太陽になる  

五感からの情報は判断の基準になるが実は怪しい。見聞きしたと思っている以外の自覚していないものが私たちの心に反映している  

サブリミナル(潜在意識)効果というが、映画の映像の所々に、コーラのシュワーッと泡の出る様子を瞬間的に挟み込むと、売店のコーラの売り上げが上がったという。本人はその自覚はない。学説としては認められていないがその効果はある。テレビ放送においては、サブリミナル的なコマ挿入は倫理の観点から禁止されている  

しかし画像が潜在意識に影響するのは当然だ。ある人物の画像はにこやかで明るい表情ばかり、別の人物は気難しく暗い顔ばかりだと、その人のイメージとして定着してしまう。そして好感を持てる側の意見を受け入れる傾向が強い。しかし本当の姿は違うかも。心で見るのですよ。


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