特集記事

理路雑然 /-146-

2019年12月05日(木)

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理路雑然

重機作業での安全の考えが変わってきた。これまでは建設機械の前後や回転半径に人が入るとセンサーが感知し、運転者に知らせ運転者は作業を止める「危険確認型」だった。これが、最初にセンサーが周囲の安全を確認しないと、機械が動かない

「安全確認型」も加わった。面倒に思えるだろうが事故防止には効果がある  

もともと人はあまり利口ではない。立ち入り禁止と書かれている所に入り、触るなと注意書きのあるバーを回し、高温と書かれているのに握って火傷をする。あとから考えるとなんと馬鹿なことをという事故が多い  

「人は必ずミスをする」「機械は必ず故障する」が基本だ。事故防止の考え方もその基本に立つ。不注意や間違いを犯すことを前提に対策を考えるヒューマンエラーへの備えだ。「うっかりミス」と一括りにしがちな事故も突き詰めて見ると様々な原因がある  

事故の型も原因も細かく分類できている。そのそれぞれに方策をとる必要がある  

交通事故は人の判断ミスが90%とも言われる。車の自動運転や衝突防止ブレーキはこれからも進むだろう。しかし事故がおきたときは機械の責任にはできない  

責任といえば、今は事故の責任はほぼ全てが施工側に求められる。またペナルティ(指名停止・営業停止)もある。先日思いがけない話を聞いた。韓国では発注者(担当者?)にも制裁的な責任が課されるという。そのため工事施工と安全管理の計画時点から受・発注者双方が責任を定め実行する。よく考えるとこれは合理的に思える話だ。


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