特集記事

理路雑然 /-147-

2019年12月19日(木)

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理路雑然

恥ずかしながら、「外水氾濫」「内水氾濫」という言葉を知らなかった。今年の台風や豪雨で起きた洪水の解説で教えられた  外水氾濫とは川が増水し堤防から溢れたり、堤防が決壊して起きる洪水のこと。隣接する住宅地や田畑などでは短期間で甚大な被害をもたらす。千曲川、阿武隈川などで外水氾濫が起きた  

内水氾濫とは市街地などに降った雨が排水路や下水管の処理能力を超えたり、川の水位が上昇し水を川に排出できなくなった際に、溢れたり逆流してしまう浸水害。今回は多摩川沿いの武蔵小杉で内水氾濫が起きた  

外水氾濫はこれまで様々なシミュレーションに基づき堤防の増強が進められてはいる。埼玉・東京の荒川スーパー堤防を見学に行ったことがある。荒川は利根川の支流で名前の由来は「暴れ川」だという。周辺住宅地より高い位置を流れる天井川。堤防は幅・高さがとてつもなく大きいがまだ未整備だ。利根川、荒川や隅田川が氾濫すると東京は都市機能を失うと言われる  

東京・神奈川の多摩川も天井川だ。広い河川敷、自然も豊か、天気の良い日は快適な空間を作り出す。内水氾濫で被害が大きかった武蔵小杉には、高層タワーマンションが建ち始めた頃行った。なぜこんな田舎に、高価な高層の建物がと不思議だった。川の水位が上がり排水できず市街地に水が溢れ、停電によってエレベータ、エアコン、トイレが使えず交通も麻痺した。下水の臭いが町に充満した。内水氾濫は予測が難しいらしい  

自然災害は怖い。経験を活かし危機意識を持ち続けたい。


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