特集記事

理路雑然 /-149-

2020年01月18日(土)

特集記事

理路雑然

法律や行政の出す文章の言葉が段々長くなっている気がする。正確丁寧なのだが余計にわかりにくい。ペストセラーの「ローマ人の物語」に出てくる法律は、皇帝や場所の名前など単純なので、内容とイメージの連想で分かりやすい  

人との会話は真剣なことほど真面目に話しにくい。冗談めかして話すと、それが通じない人は怒ったり誤解したりする  

小説家の井上ひさしさんの名言に「むつかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに」というのがある。もともとは仏教の説教の極意らしいが、これはこれで簡単ではない  

自分が本当に理解していなければ、例え話やジョークを交えた話はできない。教壇に立つ人が、退屈な数字や公式、理論を巧みな言い回しで聴き手に伝えるには、本人の深い理解力が必要だ  

政治家や公職にある人は要注意。揚げ足をとられない表現にしないと、メディアは重箱の隅を突くように追い詰める。そして不謹慎だ、差別、任命責任だと騒ぐ。例え話は一面どのようにも解釈できる弱点がある。マイクの前では真面目なことを面白く語れない。深い話をやさしく話せない。議論は多少の間違いも含め、修正しつつ進めることが大切なのに、それを封殺しているのは実は政治家やマスコミ自身なのだ  

コラムの原稿は文字数が制約される。縮めようとすると漢字の羅列になりがち。漢語の方が短くできるが読みにくい。本当に理解し文章の巧みな人は、きっと漢字の羅列が少ない人なのだろう。


TOP