理路雑然 /-151-
2020年02月22日(土)
特集記事
理路雑然
ニュージーランドのラグビーチーム、オールブラックスは、試合開始前に「ハカ」というパフォーマンスをする。力強い動作と雄叫び、舌を出して威嚇する「睨み」「大見得」は歌舞伎を連想させる
20世紀はじめイギリスがニュージーランドに侵略・入植しようとしたとき先住民マオリ族との争いになった。マオリは勇ましく戦い、手を焼いたイギリスは対等な休戦協定を結んだ。今も子孫はマオリキングとして尊敬される。ハカは神への祈り、自らの鼓舞、敵への威嚇と敬意を表しているという。そんな勇敢なマオリと比べ、隣国オーストラリアの先住民アボリジニは、侵略してきたイギリスを恐れ大陸の奥地に逃げ込んだ
昔、ニュージーランドに行った時のガイドの話なので眉ツバ。アボリジニとオーストラリアの名誉のために言うと話はもっと複雑。マオリは部族間の争いやイギリスと組んだ部族もあった。広大なオーストラリアでは多くの部族に別れていたし、持ち込まれた伝染病に抵抗力がなく90%が死んだからだ。どの国も自分の国に都合良く話すし、隣国への微妙な感情もある
アボリジニは原始的で野蛮、劣った人種とされ狩の対象にされた歴史がある。現在その文化と世界観は見直され、自然と共存する理想的なヒトのあり方ともされる。遺された絵画や品々は現代芸術が及ばない形、模様、色彩、宇宙観、自然信仰を伝える
あれ?話はニュージーランドからオーストラリアに飛んでしまった。カマテ(私は死ぬ)!カマテ!カオラ(私は生きる)!カオラ!