特集記事

理路雑然 /-156-

2020年05月09日(土)

特集記事

理路雑然

ジグソーパズルはそのピースに同じものはひとつもない。我が家には失ったひとつのために完成しないジグソーパズルが未練がましく残っている 

パズルを組み立てるテクニックは、周辺に位置する直線のあるピースの絵柄を頼りに配置することから始まる。その後凹凸が合うピースをやはり絵柄をつなぎながら中央に収めていく。同じような模様と形が多いと手間取る 

ところがある種の自閉症の人は、絵柄がなくても速いスピードで組み立てることが出来るそうだ。それを読んで試しに孫の小さなジグソーパズルを裏返してやってみたが難しい。もともと人は本能的に形を瞬時に見分け記憶する能力を持っていた。しかし現代人はその能力を退化させてしまった 

人の個性と能力をピースの凸凹に見立てると、上下左右斜めのピース(人)の8方向の関係性で成り立っている。その関わりで社会は機能している。本当はどのピースが優れているとか劣っているとかではない。たまたま社会の要請で役割や価値が付けられているだけだ。例えば腕力が優れても、昔の戦国時代じゃあるまいし今は何の役にも立たない 

ジグソーパズルは平面だが、これを立体にしたものもある。簡単(?)なのはプラモデルや立体パズル、組立ブロックのレゴなど。難しいのは真っ白とか透明なもの。26方向、目的の全体像を頼りに組み立てる。見ただけで諦めそうだ 

新入社員が入ってくる。きっと社会の人の組み合わせは、少し柔軟性はあるとしてもそんな立体ジグソーパズルの姿なのだろう。


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