特集記事

理路雑然 /-162-

2020年08月08日(土)

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理路雑然

1兆円を1万円の札束の厚さにすると、どれくらいの高さになるのか? 数字に弱いのですぐそんなふうに考える癖がある  

100万円が1㌢として、1億は1㍍。1000億は1㌔㍍、その10倍なので10㌔㍍になる。富士山の2倍半、雲仙岳の7倍近くの高さに届く  

本年度の日本の国家予算は約100兆円なので1000㌔㍍。新型コロナ禍への対策予算はあれこれ約100兆円。合わせてざっと200兆円、2000㌔㍍。どちらにしても見ることは出来ないし、実感できる数字ではない  

1000㌔㍍は長崎市から直線距離で東京都にまで届く。2000㌔㍍は沖縄から北海道に達する。愛用のカシオ電卓では兆の単位は表示できない。そもそも計算するのが馬鹿らしくなってきた。こんな物凄い金額の予算を組んで、国を運営する政府と国会には驚き感心する  

兆は「きざし」と読む。前ぶれの予兆、悪い兆しは凶兆、いい兆しは吉兆。京都に吉兆という高級料亭があるらしいが、行ったことはない。いい名前なので和菓子や焼酎にも使われる。兆は日本だけでなく、台湾・韓国・香港でも同じ一億の一万倍 の単位で使われているそうだ。ちなみに1兆円は英語で、One trillion yenと辞書にあった  

近年、私たちに関わり深い公共事業予算は、当初、補正、特別分合わせて7~8兆円で推移している。先の計算で言うと70㌔㍍超に積み上がる。そう考えると恐ろしい額だ。公共建設に関わる者は、大きな責任と誇りを持ってやって行こう。


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