特集記事

理路雑然 /-165-

2020年09月26日(土)

特集記事

理路雑然

大手損害保険4社が、住宅向け火災保険料を令和3年1月に全国平均で6~8%引き上げる方針だ。近年の自然災害の多発で保険金の支払いが膨らんでいるからだ。確かに毎年何かしらの自然災害があり、極めて激しくなっている。保険会社も慈善事業をやっているわけではないのだから、掛け金と支払保険金の計算上そうなるのだろう。令和元年に保険料を値上げしたばかりだが、今後も更に引き上げが続くらしい  

台風や豪雨などの災害が多い地域は値上げ幅が10%を超えそうだ。ということはどうやら九州、中国、四国は分が悪い。地震、津波はともかく、台風、豪雨は毎年のことだからだ。その代わり地震保険の掛け率は低い   

「線状降水帯」はすっかり有名になった。今回も九州南部に続き九州北部でも猛威を振るい、積乱雲が次々に発生し連続的に雨を降らせた。気象庁の雨雲レーダーに赤く線状に居座る積乱雲のかたまりだ。誤解していたが、普通の雨雲は西から東に移動するが、線状降水帯はほぼ同じ場所に停滞して大雨が降り続く。「湿舌」もそうだがメカニズムは解説されても理解できない。過去の集中豪雨の6割は「線状降水帯」だという。川は氾濫し住宅や農地が浸水する。崖崩れや橋が崩落し道路が決壊する   

細菌・ウイルス災禍は百年に一度と言われるが、我が国の自然災害は50年に一度の規模で毎年どこかに起きる。国民の命と財産を守る国土強靱化の事業はおろそかに出来ない。そんな大切な仕事を我々は担っている。豪雨にも負けず台風にも負けず、熱中症にも新コロにも負けずにだ。


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