特集記事

理路雑然 /-172-

2021年01月16日(土)

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理路雑然

スピーチが下手だとよく言われる。真面目に挨拶から始まり、順序立てて理屈を連ね、結論に至る流れ。これが間違っていた。聞く側は結論に至る前にウンザリしているからだ。文章にすれば立派でも相手の記憶に残るのは幾つかの言葉だけ。思い出すにはそれをつなぎ合わせるのが精一杯。どんなスピーチも最初の3分間が勝負だ   

スピーチはあれもこれもを避けるのがポイント。説経する坊さんや雄弁な政治家はこれを日々研究している。もちろん研究しても駄目な人や研究し過ぎて白けるのもある   

日常会話でも最初の3分間は大切。質問にしっかりと答え、できれば結論を先にすればイメージがいい。頭の中が整理されているように見える。くどくど話すと本論がぼやけ能なしに思われる   

人の心理はだまされやすい。先入観、思い違い、勘違いに操られている。逆に言えばそれを利用することもできる。質問するときは結論を先に聞き、要点、疑問を押さえることは相手にも親切だ   

ところで、知らない人に話しかけるタイミングは十秒以内。例えば列車で偶然隣り合わせた人に「暑いですね」とか声をかけても警戒されない。これが十秒過ぎると用心される。特に男性が女性に対してはそうだ。すぐに返事があればしめたもの。「どちらに行かれますか」とか「お似合いのおめしものですね」とか踏み込んでいく   

詐欺師の手口を教えているわけではない。誘導質問のテクニックは企業秘密なので教えない。要は相手の身になって考えろという反省です。


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