【年頭所感】
今を生きる建築家として/公益財団法人日本建築家協会九州支部長崎地域会・田中健一郎代表幹事
2021年01月04日(月)
特集記事
人物
新年あけましておめでとうございます。年頭にあたり皆さまのご多幸とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
世界最初の建築家協会は、1837年イギリスで創立されたRIBA(英国王立建築家協会)です。アメリカでは1857年にAIA(アメリカ建築家協会)が創立され、日本では1886年、造家学会が創設され、当時は全員が建築家であり建築設計者であることが要求されていました。この造家学会が、今の日本建築家協会の起源と言えます。
造家学会は日本建築学会と名を改めますが、大正3年(1914年)に日本建築学会から別れ、建築家集団として全国建築士会が成立します。そして戦後、昭和25年(1950年)に建築士法が制定されました。1947年に日本建築設計監理協会、そして1955年の世界建築家連合への加盟に伴い、翌年に改組・改名して日本建築家協会となりました。その後日本建築設計監理協会連合会と合併し、1987年新日本建築家協会として再スタートを切り、それが現在のJIAとなります。
日本建築家協会の会員は、建築がクライアントの大切な資産であると同時に、公共にとっても重要な社会的資産であると考えています。そして建築家は、一定の知識・技術を持ち、その責任を負うにふさわしい高度の業務遂行能力と倫理意識を持つ必要があると考えています。日本建築家協会は、そのような建築家の資質の向上および業務の進歩改善を図ることを通じて、建築物の質の向上と建築文化の創造・発展に貢献することを目的として結成された団体です。
日本建築家協会は、諸外国の団体と同じ性格を持つわが国唯一の建築家の団体として、建築家を代表する唯一の国際的NGOである国際建築家連合(UIA)に日本を代表して加盟しています。
日本建築家協会九州支部長崎地域会会員である建築家は、厳しい自己研鑽を行い、高い倫理意識を持って設計監理の業務を遂行することを通じてクライアントと社会公共のために貢献し、より豊かで美しく安全な地域と建築の建設に貢献していきたいと考えています。
昨年からCOVID-19により生活環境の変化を強いられている中で私たち建築家は様々な事業継続のために従来の建築様式や都市構造の基礎となる思想をじっくりと見直し再構築を考える機会と考えます。新たなワーク&ライフスタイルのあり方を社会やクライアントと共に考え貢献していくことが大切だと考えています。