特集記事

理路雑然―178―

2021年05月15日(土)

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理路雑然

 慎重な人の反対は軽率な人。性格の傾向を大きく分けると、慎重な方は、後ろ向き、用心深い、臆病、消極的、悲観的、平和的などが当てはまる。逆に軽率な方は、前向き、向こう見ず、無鉄砲、積極的、楽観的、戦闘的など。もちろんその場次第でどちらが良いということではない▼物の本によれば、生物進化の歴史から見ると臆病で悲観的な方が生き残ってきたそうだ。一見逆に思えるが、勇気ある方は危険な目に会うことが多く生き残れない。ということは、生き残ってきた子孫の我々は、本能的にその臆病な性格を引き継いでいる。体が反射的に危険を察知し避ける能力を身につけている▼しかし、危険に立ち向かわなければ生きていけない。怖がってばかりでは飢え死にする。なんとも難しいが、そのバランスと切り替えが大切だ。そんな目で世間を見るとなるほどと納得する▼経験の要素も大きい。若いときは危険も面白いと感じるが、年を重ねると痛い目にあったことも身について慎重になる。頭も体も弱り、物事に消極的、保守的になる▼長寿番組「笑点」で以前流行った「18才と81才の違い」。恋に溺れるのが18才、風呂で溺れるのが81才。道路を爆走するのが18才、逆走するのが81才。恋で胸詰まらせるのが18才、餅で喉を詰まらせるのが81才。まだ何も知らない18才、もう何も覚えていない81才。自分探しをしてる18才、皆が自分を探している81才。・・・自虐的なので止めときましょう。


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