理路雑然―181―
2021年07月17日(土)
特集記事
理路雑然
ワクチン打った?が挨拶代わりの毎日。新型コロナ禍にあり、メディアに医者が登場する機会が多い。医者の発言なので信じてきたが、振り返ると相当怪しい話もあった▼医者と言っても大きく臨床医と研究医に分類される。臨床医とは、通常病院にいて診療や治療に関わるお医者さん。かかりつけ医はその代表。患者の治療に当たっているので情報の具体性は高い。その開業医が組織し、利益団体としての性格を持つのが医師会。診療報酬や薬価の引き下げ議論によく登場する▼研究医とは大学や研究機関にいて、医学研究をする医師のこと。医療研究者とは医療技術の向上、病気の原因解明や最新治療の研究を行う。こちらが学問的に見える。ノーベル生理学賞はこの分野の人ばかりという。広い視野で医学以外の分野との連携もある。もちろんその中間に位置する医師もいる▼いささか面倒なのは政治家の発言だ。専門家の提言を聞きながらも社会的、経済的影響、政治的なものが入り交じる。行政からはお上のお達し伝達という感じだ▼門外漢として極端にいうと、臨床医は、社会活動を強引に止めてもウイルスを抹殺すべきという姿勢。研究医は、そもそも地球に存在したのはウイルスであり、人類は新参者で勝つわけはない、症状を抑えながら抵抗力をつけていくしかないという姿勢、と見える。そんな視点でテレビに出てくる人たちの発言を聞くと面白い▼しかし直面するウイルス感染防止や治療に頼るのは臨床医の方だろう。もうすぐ2回目のワクチン接種だ。早く皆がワクチン打ってひと安心となりたいものだ。