特集記事

【国交省直轄】現在進行中!

道をつなぐ、人をつなぐ大型道路事業

2019年01月01日(火)

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予算

その他

伊万里松浦道路(松浦インター)

【伊万里松浦道路】位置図

大村諫早拡幅(鈴田交差点から諫早市を望む)

【大村諫早拡幅】位置図

森山道路(仁反田川橋)

【森山拡幅】位置図

大村拡幅(杭出津橋)

新日見トンネル(長崎市側坑口)

針尾バイパス(江上交差点立体化)

 県内各地で国直轄の道路事業が進められている。県北では伊万里松浦道路か開通、続く松浦佐々で工事が本格化し始めた。東部では森山拡幅が進み、県央では今年度、一般国道34号大村諫早拡幅が事業化。本県の大動脈構築とも言えるこれら大型道路事業の現況と展望について、長崎河川国道事務所協力の下、取りまとめた。


■西九州道:一般国道497号松浦佐々道路 

 松浦佐々道路は、西九州自動車道のうち、長崎県松浦市~長崎県北松浦郡佐々町を結ぶ延長19.1km、幅員12m(車道幅3.5m、片側1車線)の自動車専用道路。西九州自動車道の一部を構成する路線であり、長崎県北部に位置し、九州北西部の広域的な連携を図り、地域の活性化に大きく寄与するとともに、北松地域唯一の幹線道路である国道204号の代替路線としての機能も有する道路だ。2016年11月に着工式を執り行い、現時点での開通区間はなし。

松浦ICを起点とし、同IC側から順次工事を進めている。構成ICは松浦IC―仮称)平戸江迎御厨IC―(仮称)江迎鹿町IC―佐々IC。


■松浦IC~(仮称)平戸江迎御厨IC

◇全体現況:用地買収及び一部施工中。

●構成構造物:トンネル2本、橋梁8橋

●構造物現況:トンネルでは松浦2号トンネル〔構造形式(NATM)/延長L=774m〕を発注手続き中で、今年2月開札。未発注の松浦1号トンネル(松浦市御厨町)の延長は約1200m。橋梁では松浦1号橋上部工、松浦2号橋下部工、松浦3号橋下部工、松浦4号橋下部工、松浦6号橋下部工を施工中。2・3・4・6上部工および5・7・8号橋上下部工を今後発注。

●松浦2号橋(上部工形式:PC単純ポストテンションT桁橋+鋼単純鋼床版箱桁)

●松浦3号橋(上部工形式:PC単純ポストテンションバルブT桁橋)

●松浦4号橋(上部工形式:PC5径間連結ポスT桁橋+PC4径間連結ポスT桁橋+PC3径間連結ポストテンションT桁橋+PC3径間連結ポストテンションT桁橋+鋼3径間連続非合成鈑桁橋)

●松浦5号橋(上部工形式:PC単純ポストテンションT桁橋)

●松浦6号橋(上部工形式:PC4径間連結ポストテンションT桁橋)

●松浦7号橋(上部工形式:PC5径間連結ポストテンションT桁橋+PC6径間連結ポストテンションT桁橋)

●松浦8号橋上り線(上部工形式:PC5径間連結ポストテンションT桁橋)

●松浦8号橋下り線(上部工形式:PC5径間連結ポストテンションT桁橋)


■(仮称)平戸江迎御厨IC~(仮称)江迎鹿町IC

◇現況:用地買収中

●構成構造物:トンネル3本、橋梁 5橋

●構造物現況:全て未発注。現在、詳細設計未了。


■(仮称)江迎鹿町IC~佐々IC

◇現況:調査中

●構成構造物:トンネル2本、橋梁未定。

●構造物現況:全て未発注。現在、詳細設計未了


■一般国道57号森山拡幅 

 国道57号森山拡幅は、長崎県雲仙市愛野町を起点とし、諫早市長野町に至る延長7.6km(内6.0kmが自動車専用道路)の道路。施工中区間の幅員は自動車専用道路が12㍍、一般道路が10.5m~13m。交通混雑の緩和および交通環境の改善を目的とする事業であり、交通混雑緩和・交通安全の確保の機能を担う4車線の道路と、周辺地域との連携強化の機能を担う規格の高い道路(地域高規格道路「島原道路」)という2つの機能を有する道路である。全体延長7.6kmのうち、2015年度までに1.6km(現道拡幅部)を供用中。構成ICは森山東IC―(仮称)森山IC―(仮称)尾崎IC。


■森山東IC―(仮称)森山IC―(仮称)尾崎IC

◇現況:区間を通じ施工推進中

●構造物現況:田尻高架橋及び森山IC東ONランプ橋は施工済み。施工中は釜の鼻2号橋 床版工、仁反田川橋 下部工、仁反田川橋(P10~A2)上部工、下井牟田赤崎高架橋下部工、下井牟田赤崎高架橋(P11~P17)上部工(工場製作中)、下井牟田赤崎高架橋(P23~A2)上部工(架設中)、森山IC西ONランプ橋上部工(工場製作中)、森山IC西OFFランプ橋上部工(工場製作中)。下井牟田赤崎高架橋(P17~P23)(鋼6径間連続非合成鈑桁橋)を発注手続き中(1月31日開札)。以下構造物が未施工であり、今後、発注される。

●尾崎高架橋下部工、上部工(5径間連続非合成鈑桁+鋼4径間連続非合成鈑桁)

●尾崎インターOFFランプ橋下部工、上部工(鋼2径間連続非合成鈑桁橋)

●尾崎インターONランプ橋下部工、上部工(鋼3径間連続非合成鈑桁橋)

●仁反田川橋(A1~P3)(PC3径間連結プレテンションT桁橋)上部工

●下井牟田赤崎高架橋(A1~AP3)(PC3径間連続中空床板橋) 上部工

●森山IC東OFFランプ橋(鋼2径間連続非合成鈑桁橋)上部工


■一般国道34号大村諫早拡幅 

 国道34号大村諫早拡幅は、大村市久原(与崎交差点)を起点とし、諫早市下大渡野町に至る延長4.4kmの4車線拡幅事業で、本年度事業化。交通混雑の緩和及び線形不良区間の解消を目的とし、現道拡幅+一部バイパスの形で整備。このうち約3㌔区間に関しては、現況片側1車線(幅員11.00m)を片側2車線(幅員23.25m、計4車線)へ拡幅し、鈴田峠付近は上下線ともトンネル(上り340m・下り360m)で整備する見通し。概算事業費は約160億円(改良費約27億円、橋りょう・トンネル・IC費約46億円、その他工事費約38億円、用地補償費約49億円)。整備により勾配は6%から4%以内にまで緩和される。現在、測量及び設計を進めており、今後、地質調査も進めながら設計の熟度を上げていく予定。

■今後の予定

●現在、測量及び設計を進めているところであり、今後、地質調査も進めながら、設計の熟度を上げていく予定。


針尾バイパス・大村拡幅・新日見トンネル

■一般国道205号針尾バイパス

 長崎県佐世保市大塔町を起点とし、同市南風崎町に至る延長5.9kmのバイパス。佐世保市南部の慢性的な交通混雑の緩和及び西九州自動車道へのアクセス向上などを目的とする道路で、全体延長5.9kmのうち、2015年度までに3.0kmを4車線で供用中(残区間は2車線で供用中)。現在、江上交差点の立体化を施工しており、2019年度に江上交差点立体化が完成する予定。残事業は舗装や道路付属物など。

■一般国道34号大村拡幅

 大村市杭出津1丁目(空港南口交差点)を起点とし、同市久原2丁目町(与崎交差点)に至る延長3.7kmの道路。大村市及び周辺部の交通混雑の緩和と交通安全の確保を目的とした事業であり、快適な市街地の形成を図り、県央地域の拠点都市としての活力ある都市機能を支えることを目的としている。水主町交差点~与崎交差点までの3.2kmが開通済みで、今後残る0.5kmの用地買収を進め、杭出津橋の下部工、上部工(ポストテンションPC単純床版橋、合成床版橋)を進めていく。

■一般国道34号新日見トンネル

 長崎市芒塚町を起点とし、同市本河内に至る延長1.6kmのバイパス事業(トンネル本体は1,032m)。交通渋滞の解消、渋滞に起因する交通事故の減少により道路利用者の安心・安全を確保するとともに信頼性の高い広域観光周遊ルートの確保により地域観光の発展に寄与することを目的とする。前田・西海JVが施工を担当、2018年.11月末現在で約600m掘削済み。

新技術・新工法の採用
 国交省では現在、ICT土工工事を推進。ICT建設機械を用いた施工を行い、3次元出来形管理等の施工管理を実施している。長崎河川国道事務所では現在、松浦佐々道路の寺ノ尾地区にて実施している。また、一般国道57号森山拡幅において、軟弱地盤上の地盤改良「Alicc工法」を採用し、コスト縮減を図っている。また、島原鉄道と併走する区間の深層混合処理工については、島原鉄道への変位を抑制するため、「LDis工法」(低変位高圧噴射攪拌工法)を採用。
沓掛孝長崎河川国道事務所副所長コメント
 長崎県は、地勢の特徴に加え、長崎や平戸などが古くから海外貿易拠点として栄え、非常に異国情緒あふれる歴史文化のある県として、人々の心を惹きつける魅力的な地域です。今年7月には県内2つめの世界遺産として「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が登録され、2022 年には新幹線の開業も予定されています。また、クルーズ客船の寄港船数の増加やIR の誘致活動の活発化など、非常に賑わいを見せております。インフラを有効に活用していただいてこれらの地域の活動を一層盛り上げられるよう、また、安全に安心に暮らして頂けるよう、必要な施設の整備に努めてまいります。
 

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