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『瓦業界の大きな転換期 建築基準法の告示基準改正でガイドライン工法義務化』 /長崎県瓦工事業組合・吉川勝彦理事長

2022年01月04日(火)

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 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 新型コロナウイルスの感染は、依然として予断を許さない状況が続いており、建築業界にも、資材の高騰や資材不足などの影響が出ています。業界では人材不足や高齢化も相まって、既存の瓦屋根の修理を中心に対応が滞っているケースも少なくなく、関係する皆様にご迷惑をおかけしている状況です。大変申し訳なく思っております。


 瓦業界では本年が大きな転換期と言えます。国土交通省が建築基準法の告示基準(告示第109号)を改正し、瓦屋根の緊結方法を強化。2022年1月1日以降に瓦屋根の建築物を新築する際には、(一社)全日本瓦工事業連盟の『瓦屋根標準設計・施工ガイドライン』に基づく工法での施工が義務化されました。台風や地震などの自然災害が頻発化・激甚化する中、ガイドライン工法で施工された瓦屋根の被害がほとんど無い実績の積み重ねが評価された結果だと思っております。


 国土交通省ではさらに、既存の瓦屋根の耐風・耐震対策として、ガイドライン工法で改修(リフォーム)する際に補助をする『住宅・建築物安全ストック形成事業』を21年4月1日に施行しました。瓦工事業組合としても、ガイドライン工法の有効性の周知とともに、県と県下市町への同補助制度の創設を働き掛け、県民の安全・安心なくらしの実現に屋根から貢献していきたいと考えています。


 瓦は、日本の風景に欠かせない伝統的で優れた屋根材です。長崎県瓦工事業組合として、観光が重要な産業である長崎の良好な景観の維持・整備の面からも、瓦を通じて貢献できるよう技術・技能の研鑽に努めて参ります。併せて、若年層の入職促進による人材確保・充実に向け、週休二日の実現をはじめとする就労環境の改善に取り組んで行く所存です。関係する皆様にも、若者が魅力を感じる職場づくり実現へのご理解・ご協力をお願い致します。


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