理路雑然―190―
2022年02月05日(土)
特集記事
理路雑然
ハラスメントという言葉は「嫌がらせ」のことだが、いまや職場でも要注意だ。働く人の意欲を阻害し、やる気をなくしたり、職場の雰囲気が悪くなり、生産性の低下や労災を招く恐れもある。またそれを解消するためのエネルギーは大きいし時間がかかる▼ハラスメントは大きくパワハラ、セクハラ、マタハラに分類される。パワハラとは優越的力関係を背景に、身体的、精神的な攻撃、無視、過大な要求やその逆、プライバシーへの立ち入りなど。頭を叩いたり、「馬鹿!死ね」が含まれる。身に覚えのある人も多いだろうが訴えられたら負ける。とはいえ指導教育的な微妙な面もあるのでまずは行き過ぎに注意▼セクハラが難しい。異性に触れる、冷やかす、誘う、強引などなど。問題にされて社会的地位を失った人もいる。さらに男と女という分け方も差別だと指摘される。長崎県のキャラクター「がんばくん」「らんばちゃん」が、隊長、副隊長となっていること、「くん」と「ちゃん」の愛称も差別の疑いがあるという▼面倒なのは女男どちらでもないとか本人の意識は逆の場合。人権意識と多様性を認める昨今、古くさいオジさんは正直混乱する▼マタハラは妊娠出産(マタニティ)にかかわるもの。休暇の制度を取ることで仕事が滞ったり、ほかの人への負担が増えることからトラブルがおきる。しかし人口減少の時代、出産・育児は社会全体が支えるのは当然だろう▼ハラスメントの研修会で聞いた話の紹介だったが、特に経営管理に携わる人は、ハラスメントと言われないようご注意下さい。