地域貢献

島原半島高校生卒業記念で最後の植樹/関係機関や地域住民らも70人参加/雲仙百年の森づくりの会

2022年03月15日(火)

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宮本会長

植樹の様子

 雲仙百年の森づくりの会(宮本秀利会長、㈲宮本造園)は13日、島原市北千本木に整備された千本木1号砂防えん堤で、最後となる島原半島高校生卒業記念植樹を実施した。24回を迎えた同植樹活動は、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑みて、実施時期を卒業式後に延期。生徒らの自主参加という形をとったが、長崎河川国道事務所雲仙砂防管理センターをはじめ関係機関や地域住民の多くが応援に駆けつけ、総勢約70人が最後の植樹に汗を流した。


 冒頭、宮本会長は、「植樹を通して災害を語り継いでいこうという思いで始め、やっていることは小さな事だが島原の森や湧水など、大自然の循環の一つになっていると信じて続けてきた」と活動を振り返った。一方で、「私自身、人は老いていくものと実感しているところで、この事業を二十数年続けてこれたことを本当に嬉しく思う。植樹の作業は今回をもって最後となるが、今後は育樹等を各高校や関係者の皆さんと話しながら検討していきたい」と話した。


 半島内の高校を代表して挨拶に立った県立島原農業高等学校の前田達彦校長は、同会の活動に深く感謝の意を示した上で「卒業生はそれぞれの道に進むが、桜の苗木が成長する姿と自身を重ね合わせ、ふるさとのことを思い、過ごした青春の日々を誇りとし家族と友人をいつまでも大切にしてほしい」と生徒へ呼び掛けた。また、雲仙砂防管理センターの西島純一郎センター長も、「この地の復興は、地域の方々と一緒にいろんな計画をして手を取り合って進めて復興を遂げた。国の事業としては一区切りとなったが、まだ背後に溶岩ドームが残っている。ワンチームとなって皆さんとまた一緒に歩いていきたい」と述べた。


 参加者は、用意された3㍍の桜約20本へ優しく土をかぶせ、クヌギやヤマボウシなどの苗木を約350本植樹した。雲仙百年の森づくりの会は今回の植樹に先立ち、桜の苗木を各高校へ一旦送り、参加できない生徒らと記念撮影する機会を設けた。このうち、県立島原工業高等学校は、生徒が目標や感謝を記したリボンを桜の枝に結び植樹した。地元建設会社に就職する同校卒業生は、「地域の人々とこのような活動が出来てよかった。生まれ育った地元をもっと生活豊かな場所にしたい」と夢を語った。

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 同会は、1999年からこの活動を開始。毎年2月上旬頃、半島内の高校3年生らが一堂に会し植樹してきた。これまで、約4㌶の敷地に約3万3650本を植えるとともに、雲仙普賢岳噴火災害の記憶の継承と復興への思いを繋いでおり、今後はこれまで植樹した木々の育樹へとシフト、新たな卒業記念のかたちを計画予定だ。


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