特集記事

まだまだ続く長崎市の大型事業

2022年08月23日(火)

特集記事

その他

西浦上小学校(イメージパース)

小島小学校(イメージパース)

市役所別館跡地公用車等駐車場

中部の学校給食センターモデルプラン

南部の学校給食センターモデルプラン

 100年に1度のまちづくりに取り組む長崎市。昨年度の出島メッセ長崎完成に続き、本年度は全天候型子ども遊戯施設や新市庁舎建設事業が完成。しかし県下最大都市長崎市は老朽化施設等も多く抱え、まだまだ大型事業は続く。長崎市が実施する大型事業について、計画や進捗をまとめた。※事業費は概算および見通し含む


西浦上小学校校舎等改築

  • 【総事業費 39億2720万円】
  • 【設計 重野・日匠JV】

 ウエノ・タイヘイJVによる既存校舎解体を進捗、来年9月まで。続いて同年10月にも校舎棟建設工事に着工(工期18ヶ月)する考え。新校舎はRC造4階建て(4階部にプール、2階~屋内運動場設置)。校舎部分は6429平方㍍、屋内運動場部分が1173平方㍍の計画。太陽光発電設備も設置(24年10月からの6ヶ月で施工)。新校舎完成後の25年度は8月に児童クラブ建設(運動場南部に設置、工期7ヶ月)着工、3月に既存屋内運動場解体着工(工期6ヶ月)。26年度は9月に体育倉庫屋外便所建設(工期6ヶ月)と運動場整備工事(工期10ヶ月)に着工する。27年度6月末の運動場整備完了をもって同事業の全体完了を目指す。


小島小学校改築事業等改築

  • 【総事業費 39億2650万円】
  • 【設計 ㈱松林建築設計事務所】

 本年度の仮設校舎建設(日東工営㈱)後、学校機能の引越しとともに現校舎(プール・給食棟含む)を解体(事業費1億6255万1000円、発注は本年度末の見通し)。法面改良・護岸改良2期(校舎側)を挟んで校舎跡地に新校舎を建設。同建設工事発注は24年度半ば、同年11月議会での契約議案上程を目指す。新校舎には屋内運動場・プールを合築、RC造地下1階・地上4階建(敷地段差により地下表記。1階部が運動場高さ)プールは屋上(4階部分はプール付帯施設)、屋内運動場は1階部分に配置する計画。校舎延床面積は約5730平方㍍で、27年3月の供用開始を予定。そのほか、新校舎建設以降は屋内運動場解体、運動場設計・整備、取付道路(仮設橋)の本橋架け替え設計・工事などが行われる。31年10月の運動場全面供用開始をもって事業完了とする。


西町小学校校舎等改築

  • 【総事業費 28億3850万円】
  • 【設計 ㈱建友社設計】

 来年7月まで基本実施設計を進める、本年度は既存校舎・プール解体(1期)(㈱西海興業)および法面等整備工事を実施。法面工事(2カ年工事、施工面積計925平方㍍、事業費1億4210万円)は第3四半期に発注する見通し。仮設校舎の建設は行わず、既存校舎の一部およびプールを解体して跡地に新校舎を建設、新校舎への移転後に残る校舎を解体する。

 現在のところ、市は新校舎建設工事を23年度後半から24年度初頭に発注したい考えで、25年度の供用開始を目指す。新校舎にプールは併設せず、近隣の民間プールを活用。屋内運動場を新校舎棟にて重層化整備するか独立構造とするかは、設計を進める中で決定していく。新校舎建設後、25年度に2期解体を行い、跡地を含め運動場整備を実施。27年度の運動場供用開始をもって事業完了とする見通し。


琴海中学校校舎等改築

  • 【総事業費 未公表】
  • 【設計 ㈱松林建築設計事務所】

 本年度は基本・実施設計(24年2月末まで2カ年業務)および学校敷地等の測量・設計を進める。設計の中で仮設校舎の要否や建設箇所、構造規模等を決定。現段階のスケジュールとしては、24年度から新校舎等の建設に着手、27年度運動場整備に着手する計画としている。全体事業費は24年度当初に明らかとなる見通し。


市役所別館跡地公用車等駐車場建設

  • 【総事業費 18億9000万円】
  • 【設計 ㈱溝上建築設計事務所】

 市役所別館跡地に公用車等駐車場〔駐車台数約135台/地下2階(3層構造)/建築面積約2200平方㍍、延べ面積約3000平方㍍〕を整備。現段階の計画では工期は解体2年9ヶ月(7億7000万円)、建設1年9ヶ月(11億2000万円)。国道34号と県勤労福祉会館前の市道との高低差(5㍍)の法面崩壊対策として自立式山留(アースアンカー式親杭横矢板)が必要とされ、建設工事にも関わることから、解体と建設を分離するよりも一本発注が妥当ではないかと現在、協議検討中。工事契約は本年度2月議会への上程を目指す考え。

 建物高は10・5㍍(一部地下掘削)、一部特殊梁(PC梁)。屋上部(国道34号と同高さ)は公園として整備するが、公園整備は別発注(事業費に含まない)。来年1月の新市庁舎への機能移転後に解体着工25年度の建設工事着手、27年度の完了を目指す。その間、26年度は上部公園(面積約2800平方㍍)の設計を、27年度には公園建設工事を実施する。


(長崎市・長与町)新浄水場整備

  • 【総事業費概算 約135億4700万円】
  • 【設計 未定】

 浦上ダム・萱瀬ダム・JRトンネル湧水を水源とした新浄水場を建設するもので、長崎市と長与町共同で整備する計画。現在、長崎市がPFI導入可能性調査を実施中。新浄水場は長崎市北部下水処理場跡地(郡長与町高田郷299ノ1)にて整備、現在のところ設計・施工・運営一体でのPFI導入を目指し調査中(今年12月まで)。調査後、PFI導入が決定すれば要求水準書を作成、PFIの可否に関わらず23年度には建設(PFIなら運営一体)に係る公告を行い、24年度半ばの契約締結、28年度の供用開始を目指す。

 新浄水場は計画取水量(立方㍍/日)2万5607、施設能力(同)2万9099、計画浄水量(同)2万3279(1市2町計画より算出)、高度浄水処理の導入も検討。建設予定地は、附帯する道ノ尾グラウンドとともに長崎市の所有。一部下水道調整池(流量調整池)としての機能を残し、約1万4200平方㍍を確保。ただし、浄水場建設にあたっては、一部土砂災害対策(防護柵設置工)や浸水対策(約50㌢㍍の嵩上盛土工)などが必要となる。


東工場建替

  • 【総事業費 303億6000万円】
  • 【設計 三菱重工環境・化学エンジニアリングG】

 現東工場(ごみ焼却施設)の老朽化に伴う敷地内新設事業。運営一体のDBO(設計・施工・運営)で発注し今年6月に開札した。落札者は代表企業三菱重工環境・化学エンジニアリング㈱九州支店、構成員重環オペレーション㈱。協力企業は㈱フジタ九州支店、三菱重工交通・建設エンジニアリング㈱⻄⽇本建設統括部、㈱⻄菱環境開発、㈱丸金佐藤造船鉄工所、協和機電工業㈱、㈱三浦工業所、㈱ナガネツ。契約金額は275億9000万円(税抜き)(内訳は設計・建設業務186億9000万円、運営業務89億円)。2026年3月31日までを建設期間とする。

 なお、現東工場の工場棟については新施設整備完了後、本事業とは別に2026年度に発注(左記事業費に含まれない)。同年度末までに解体に着手予定。


中部給食センター・南部給食センター整備

  • 【建設費 中部C46億2961万6000円/南部C21億5377万5000円】
  • 【設計 未定(実施方針策定業務は2施設とも㈱建設技術研究所)】

 中部給食センター(以下、中部C)および南部給食センター(同、南部C)整備事業は両施設ともに9月頃にもPFIでの要求水準書案を公表、来年1月には最終の募集要項公告と、2本を同時進行で公告する。2施設共に設計・建設・維持管理・運営を含み、先行して整備した北部給食センターと同様の手順で委託。本年度12月議会に事業費の債務負担行為を提案、来年6月には両施設の優先交渉者を決定、同年9月議会への契約議案提出を目指す。昨年度実施した導入可能性調査(事業手法検討)および本年度実施する実施方針策定業務は、㈱建設技術研究所が担当している。

■中部C(運営含想定・総事業費143億)―川平小学校跡地に建設、建設費には当該既存校舎解体費を含む。1万4997平方㍍(うち有効面積1万2464平方㍍)の敷地面積にS造2階建、想定延床5809・4平方㍍のセンターを建設。調理能力は1万2000食(1日あたり)3献立とする。維持管理運営費(約15年)は96億4880万1000円、建設費その他費用を加えた総事業費は143億0512万3000円を想定。供用開始は26年9月を目指す。また、センター完成後は体育館を解体、多目的広場を整備する。

■南部C(運営含想定・総事業費63億)―香焼本村埋立地(7089平方㍍、現況更地)にS造2階建て、想定延床2684・4平方㍍の施設新設。4000食(1日あたり)1献立の調理能力とする。供用開始は25年9月を目指す。


新たな文化施設建設

  • 【総事業費 60億円超想定】
  • 【設計 未定】

 現市役所本館跡地で1000席規模での建設予定。現段階の試算では当初計画の建設費用から2倍超、60億超となる見通し。延べ面積が当初想定の1・5倍となり、資材価格の高騰や労務単価上昇、週休2日制導入による工期拡大などが重なったことが要因。今後の進捗計画としては計画案の審議やパブコメ等を経て年度内に基本計画策定、23年度に設計着手を目指す。


もみじ谷葬斎場建替

  • 【総事業費 未公表】
  • 【設計 未定】

 1978年12月の全面建替えから42年が経過。現況はRC造平屋(一部2階)建て、延床面積1318・39平方㍍、火葬炉12基〔本炉11基(台車式、うち1基は大型予備基)、小型炉1基〕。建替えに関する基本構想・基本計画の策定にあたり、新しい火葬場として必要な規模や機能、設備等、検討を行う審議会を昨年4月に立ち上げ。その時点のスケジュールでは21年度に基本構想策定、22年度以降は基本計画策定と同時に建設地の検討・決定を行うとしていたが、現在、構想も未策定の状況。今年6月議会答弁では「9月にも基本構想を策定する考えである」とした。


日見大曲・宿町団地大規模建替え集約

  • 【総事業費 未公表】
  • 【設計 未定】

 同地区45棟の公営住宅のうち、30棟を建替え集約、5棟も集約縮減の対象としている。大園団地建替えに続く大型集約事業。

 45棟のうち1棟のみ現状維持、南側宿町アパート23棟460戸および北側日見大曲アパート4棟130戸、日見大曲住宅3棟48戸の30棟638戸が建替縮減対象。また、宿町第2アパート(14棟216戸)でも約5棟の用途廃止を検討。廃止しない棟についてはEV設置等の機能改修を行う予定。昨年度に測量調査のほか、事業手法(PPP/PFI等)の検討を実施。事業手法としてはPFI導入の「見込みあり」と判断。


平和公園再整備

  • 【総事業費 未公表】
  • 【設計 未定】

 平和公園西地区のうち、既存屋内プール上に長崎南北幹線道路松山ICの配置が決定したことから、地区全体を再配置・整備。既存施設のうち、屋内外プールは移転建替。県営野球場およびラグビー・サッカー場は存置、庭球場も基本的に存置の公算としている。再整備基本計画検討委員会にて配置含め検討中。市は同委員会へ、地下駐車場整備(現陸上競技場地下部、既存松山町駐車場との地下連絡通路整備含)も提案している。


(紙面)長崎市大型事業


TOP