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『塞王(さいおう)の楯(たて)』  今村翔吾/集英社

2022年08月24日(水)

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塞王の楯/今村翔吾

 幼い頃、落城によって家族を喪った石工の匡介(きょうすけ)。彼は「絶対に破られない石垣」を作れば、世から戦を無くせると考えていた。一方、戦で父を喪った鉄砲職人の彦九郎(げんくろう)は「どんな城も落とす砲」で人を殺し、その恐怖を天下に知らしめれば、戦をする者はいなくなると考えていた。秀吉が病死し、戦乱の気配が近づく中、琵琶湖畔にある大津城の城主・京極高次は、匡介に石垣造りを頼む。攻め手の石田三成は、彦九郎に鉄砲作りを依頼した。大軍に囲まれた絶体絶命の大津城を舞台に、信念をかけた職人の対決が幕を開ける。

 人が争うのは何故か。争いを始めるのは誰か。それを止める術は本当に無いのか。ぶつかり合う、矛盾した想い。近江・大津城をめぐる石垣職人・穴太衆と鉄砲職人・国友衆の「最強の楯」対「至高の矛」の戦火の果てに答えはあるのだろうか。


今村 翔吾/集英社

2,000円+税


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