地域貢献

長崎県建設業協会 /工業系学科有する県立高にフルハーネス贈呈 /高価で生徒数分の配備に苦慮する中で感謝

2022年10月15日(土)

地域貢献

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贈呈式参加者

各校の校長に根〆会長から目録、生徒の代表に支部長からフルハーネスが贈られた

フルハーネスを使った足場組立の実習も見学

 (一社)長崎県建設業協会(根〆眞悟会長)は、工業系学科を有する県立高校にフルハーネス型安全帯を贈呈した。13日に対象となる6校の代表者・生徒と、各校が立地する地区の建協支部の支部長らが大村工業高校に集まり、贈呈式が行われた。


 今回の発端は、建設業協会も構成員となっている『産学官連携建設業人材確保育成協議会』の今年8月の会議の場で、同じく構成員である工業高校関係者から、フルハーネスなどの実習教材・資材の不足に悩む意見が出たこと。工業高校に県内建設業への入職促進を依頼する立場の建設業協会として、学校の実習活動・人材育成に役立ちたいと、西日本建設業保証㈱の助成金を活用してフルハーネスを贈ることにした。


 根〆会長は贈呈式のあいさつの中で、これらの経緯に触れた上で「建設業はこれまで〝3K業種〟と言われてきたが、今では、週休二日制の導入や残業時間の規制、ICT・DXにより、給与・休暇・希望の〝新3K〟を目指して頑張っている」などと、工業高校関係者にアピールするとともに、今回の取り組みが、県内建設業者と若い世代が互いに理解を深める交流のきっかけになることを期待した。


 これに対し、受領校を代表してあいさつに立った長崎工業高校の北島弘明校長は、建築・土木系学科の重要な基礎実習の一つである足場の組立・解体で使用する安全帯について、安衛則の改正でフルハーネスが原則化されたことに触れ、「従来の安全帯に比べ高価なため、どの学校も生徒数分の配備に苦慮していた中、今回のお話をいただいた」と、関係者に深く感謝した。その上で、「これからの学校教育は、地域と協力し、風通しの良い学びを実現することが大切。社会や建設業の現場の変化を積極的に取り入れながら乖離のない専門教育を行っていく。今後も地元長崎の建設業界で活躍し、地域の未来を支える生徒の育成に一層取り組みたい」と述べ、関係者に引き続いた支援・指導を求めた。


 また、大村工業高校建築科2年の猪俣侠太さんは「今回いただいたフルハーネスを正しく安全に使用して、誰一人ケガをすることが無いよう頑張りたい。これまで以上に安全第一の意識を持って実習に臨む」と、生徒を代表しお礼を述べた。


 式典では、各校の校長に根〆会長から目録を、生徒の代表者それぞれに関係支部長からフルハーネス1本を贈呈した。6校の工業系9学科に各10本直接送付しているため、贈呈総数は96本。


 贈呈式後には、フルハーネスを実際に使用した足場の組立や、湿度・風力測定、図面作成の実習の様子を見学。さらに、地域ごとに3班に分かれて、建協関係者と学校関係者(校長・生徒ら)による意見交換を行った。


 ここでは、「屋外作業で夏冬がキツそう」との生徒の建設業のイメージに対し、IT化が進み就業環境が大幅に改善しているなどと回答。若手育成の質問には、▽現場の補助で4~5年の経験を積み1級の資格を取って独り立ちする▽資格取得の費用は会社が支援する―など、各社が取り組みを紹介するといった、さまざまな話が行われた。


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