特集記事

長崎県立佐世保高等技術専門校『“ものづくり”ができる人づくり』

2023年08月22日(火)

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その他

建築設計施工科・柴田優弥さん

溶接技術科・樫山音さん

自動車塗装科・田﨑晃さん

電気システム科・須藤瑛実梨さん

有吉校長

 “ものづくり”ができるひとづくりをモットーとする長崎県立佐世保高等技術専門校(佐々町小浦免1572ノ26)の訓練生は、それぞれの目標や夢に向かって日々訓練に励んでいる。今回7科のうち、建設業界に関わりの深い電気システム科、建築設計施工科、溶接技術科、自動車塗装科の4科の訓練生に入校の動機や就職などについて話を聞いた。


  • 建築設計施工科・柴田優弥さん

 将来は大工になりたいと思い建築を学ぶ環境が整っている高技専へ入校を決めた。大工についての知識はほとんどないため、先生たちが丁寧に分かりやすく教えてくれるのが、大変ありがたい。実習は楽しいが、数学が苦手なので学科は苦労している。就職は、佐世保市内もしくは自宅から通勤可能な会社を希望しており、将来はお客様が安心して住むことができ、喜ばれる家を造りたい。


  • 溶接技術科・樫山音さん

 周りにいる高技専入校生から、いろいろアドバイスをもらい入校を決めた。訓練は難しいことが多いが、それを乗り越えた時の達成感は何とも言えない楽しさや嬉しさがある。訓練前にラジオ体操をすることで、身体も柔らかくなり、訓練にスムーズに入れる。就職は、インターシップや職場見学などを通して、会社の雰囲気を重視して決めたい。


  • 自動車塗装科・田﨑晃さん

 自動車整備科修了生の兄からいろいろ話を聞き、入校を決めた。色を出すのが難しく、配色に時間がかかり上手くいかないのが大変だが、その反面、自分の思うような色が出せたときは本当に嬉しい。将来は、建築塗装の道に進みたい。まだまだ未熟なため、即戦力とはいかないが、技術を磨き、会社からもお客様からも喜ばれる仕事をしたい。


  • 電気システム科・須藤瑛実梨さん

 高校卒業後、事務職として就職したが、将来が不安になり、手に職をつけたいと思っていたところ、知り合いに高技専を紹介され入校を決めた。男子の中に女子が一人であるため大変なこともある。特に安全帯を装着しての実習は女性の体力では大変なことが多く、きつい。今は、女性も建設現場で活躍する機会が多いので、訓練施設には、女性にも配慮した設備を充実させてほしい。電気・通信系の仕事ができる会社への就職が希望で、求人票に『女性も歓迎』とあると興味が湧く。



県内企業で即戦力となる若手人材の育成に力

  • 佐世保高技専 有吉佳代子校長

 佐世保高等技術専門校は『“ものづくり”ができる人づくり』をモットーとしています。当校は県内企業の即戦力となる、技術者・技能者を育成する職業能力開発施設で、現在7科において産業人材の育成を行っています。入校生の多くは、新規高校卒業者で、1年間ないし2年間で、技術や技能をしっかり身につけ、さらに資格を取得することで、今後の県内企業を支える人材を輩出しています。県内企業からは、技術的なことはもちろん、社会人としてのマナーを身につけた即戦力となる人材を求められています。そのニーズに応えるためにも、社会の規律を含めた職業訓練に力を入れています。具体的には、訓練を通して自己管理力、コミュニケーション力、問題解決力などを身につけることで、社会人として責任ある行動がとれるよう指導しています。


 企業への就職率は100%に近い高水準であり、特に県内企業への就職に力を入れています。県内企業の担い手不足のためにも多くの訓練生を送り出したいところですが、近年の少子化や雇用情勢の改善などから入校生が減少傾向にあるため、オープンキャンパス(年11回開催)などの入校生募集にも力を入れています。


 最後に「高技専は、県内企業から大きな期待が寄せられているため、これからも即戦力となる若手人材を育成し、県内企業へ送り出すことで、その使命を果たしていきます」と抱負を語った。


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