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県北地域における道路整備『佐世保市の2道路整備を見る』

2024年01月04日(木)

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前畑崎辺道路全体計画図

東山手上部線

 県北地域では現在国土交通省や西日本高速道路㈱が西九州自動車道の整備を進めている。佐々松浦道路では昨年松浦1号・2号トンネルが相次いで貫通し、4車線化事業が進められている佐世保道路でも昨年夏以降に天神山トンネルと弓張トンネルが貫通するなど着々と整備が進められている。県においては一般県道佐世保世知原線(板山工区)で板山トンネルや一般県道平戸江迎線の一部開通や主要地方道平戸田平線(向月工区)、一般国道206号(大串白似田バイパス)―などの事業を進めている。また市町においても地域インフラの整備を進めている状況だ。


【前畑崎辺道路】トンネル貫通など着実に事業進捗

 このうち佐世保市の前畑崎辺道路では、自衛隊による崎辺地区の利活用整備が進むなか、防衛施設周辺の大黒・天神地区における狭隘な既存道路の環境を抜本的に改善することを目的に道路を新設。大黒トンネル、天神トンネル、天神公園内の函渠―などを整備する。


 計画区間は、大黒町~崎辺町までの延長2840㍍、幅員6・5~7・0㍍。事業期間は2017年度から25年度の9カ年で、事業費は約75億円。天神トンネル(覆工等)は22年度に完成、大黒トンネル(覆工等)は23年11月末に完成した。


 このほかにも天神公園内の函渠(アーチカルバート)や法面対策、土工などを進めており、24年度以降は舗装やトンネル照明を行う。23年12月末現在の着工率は延長ベースで2440㍍/2840㍍で約86%となっている。


【東山手上部線】松山~桜木工区の早期着工へ

 佐世保市が進めるもう一つの主要道路である東山手上部線は、県が進めている都市計画道路春日瀬戸越線と既に供用済みの市道山祇黒髪町線とを接続することで、国道35号、204号および498号のバイパスルートとして、交通渋滞の緩和を目的としている。


 整備区間は小佐世保町~桜木町間の延長3340㍍、幅員7・0㍍。これを4工区に分けて行う。


 うち①小佐世保~山手工区は延長1070㍍②折橋~松山工区は延長347㍍で供用済み。現在は、③山手~折橋工区で延長780㍍、うち橋梁(延長71㍍、橋幅6・5㍍)を整備中。④松山~桜木工区は延長1143㍍で、2橋梁の詳細設計や用地測量、用地交渉など早期着工に向けて準備を進めている。


 県が進めている都市計画道路春日瀬戸越線(佐世保市春日町~瀬戸越2丁目)は、全長約1990㍍(幅員16・5㍍)、トンネル延長1090㍍(幅員9・5㍍)。21年度から現地測量や詳細設計、物件調査などに着手し、24年度からの工事着手に向け準備を進めている。両路線が完成することで、佐世保市北部の渋滞緩和やバイパスとしての役割が期待されている。


 これら以外にも各地区で住民の生活環境改善を目的に道路整備が進められており、利便性の向上、都市部との交流、流通など様々な効果が期待されるため、一日も早い完成が望まれている。


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