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八江理事長が地域活性化等に期待 /長野土地区画整理事業を本格始動 /概算総事業費は造成含み43億

2024年01月04日(木)

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大久保市長に地区計画提案書を手渡す八江理事長(右)

 諫早市が長野土地区画整理組合の設立を認可。これに伴い、2023年11月23日、設立総会を開催。同組合の理事長に八江利春氏が就いた。核となるのは九州最大級の「ゆめタウン諫早(仮称)」。ほか、シネマコンプレックス、スポーツ施設、保育施設、温浴施設、医療・高齢者施設、文化施設、公園等を計画。人口減少対策や地域活性化の起爆剤として注目される。

  諫早市長野土地区画整理準備組合関係者が諫早市役所を訪問。八江理事長が大久保潔重市長に地区計画提案書を手渡した。この中で八江理事長は「長い道のりだったが、準備組合としてようやく計画が整った。人口減少対策や地域の活性化、雇用対策の面でも大変良い計画」などと挨拶。㈱イズミの黒本寛開発本部長は「雇用面等で地域貢献ナンバーワンを目指す。防災拠点となる施設にしたい」と熱い想いを伝えた。

 これに対し大久保市長は「市民が望む商業施設を計画していただき、うれしく思う。西九州新幹線も開業を迎える。諫早を大きく伸ばすチャンスだ」と期待を寄せた。

 諫早市長野土地区画整理準備組合(八江利春理事長)が計画する大型商業施設「ゆめタウン諫早」(仮称)を核テナントとした同事業を巡り、市は都市計画審議会に諮問した。同審議会は、(公財)ながさき地域政策研究所の鶴田貴明所長が会長を務め、学識経験者ら15人の委員で構成。一部交通渋滞を危惧する声もあったが、採決では全会一致で承認。これを踏まえ、市は5月31日、都市計画法の規定により長野地区計画を決定・告示した。


 その後、諫早市が慎重に審査。2023年11月17日、長野土地整理組合の設立がついに認可された。事業施行期間は23年11月17日から27年9月30日まで。事業コンサルタントは㈱拓研コンサルタント(福岡市早良区)が担当する。


 施行面積は17万9721・35平方㍍で、公共用地6万0797・61平方㍍、宅地9万0337・90平方㍍、保留地2万8585・84平方㍍。計画人口を約150人(計画戸数53戸)と見込む。


 区画道路に関しては1号、2号、3号(幅員9・75㍍~19・5㍍)を計画し、地区内骨格道路とする。ほか、地区内サービス道路(幅員6㍍、同5㍍)および歩行者専用の特殊道路(幅員4㍍)を配置。都市計画道路川床長野線から地区内に接続するため、川床長野線に並行する側道への取付道路(幅員5㍍)を2カ所予定。いずれもアスファルト舗装とする計画だ。街区公園として西側に1号公園(面積4400平方㍍)、東側に2号公園(面積1300平方㍍)を配置する。


 また、川床川流域と宗方川流域それぞれに調節池(1号3700平方㍍、2号1210平方㍍)を設置。雨水はボックスカルバートで流域の調節池に流下後、下流河川に放流する。


 上水道は配水管φ75~φ150を敷設。汚水管渠φ150およびφ200で集水し、流末汚水処理場に流下。川床長野線および宗方川の横断箇所においてはマンホールポンプ施設による圧送とし、汚水管渠φ50およびφ75を敷設する。


 概算総事業費は43億1700万円。このうち調査設計費を含む工事費は39億9800万円(23年度7億6118万7000円、24年度15億8610万円、25年度15億9210万円、26年度年度3801万6000円、27年度2059万7000円)。移転・移設費は2億7200万円(23年度1億8200万円、24年度7800万円、25年度1200万円)。ほかは事務費など。


 具体的には、区画道路2742㍍4億6500万円、特殊道路120㍍1080万円、水路築造費一式1億4430万円、調節池築造費一式1億1960万円(2カ所)、公園築造費一式1億1110万円(2カ所)、建物移転および工作物移転費一式2億5500万円、電柱等移設費一式500万円、簡易水道移設費一式1200万円、上水道一式2億3550万円、下水道一式9100万円、整地費・工事雑費一式25億0720万円、調査設計費一式3億1350万円などとなる。


 事業の核となる「ゆめタウン諫早(仮称)」は、㈱イズミ(広島市)が主体となり実施。店舗面積は長崎市元船町にある「夢彩都」の約1・5倍で、九州最大級。高さは駐車場を含め5階建てで、このうち1―3階(3層)が売り場スペースとなる見込みだ。営業面積は4万6000平方㍍、テナント数200店舗を予定。このほか、シネマコンプレックスや、スポーツ施設、保育施設、温浴施設、医療・高齢者施設、文化施設、公園等が計画されている。


 同社は緊急避難所および震災の拠点・ライフラインの提供など防災拠点となる施設を目指す。来客目標は年間約1000万人。商圏人口は50万人を想定。本県の拠点とするとともに、佐賀県鹿島市や嬉野市、武雄市もマーケットとして視野に入れている。女性を中心に地元採用を優先する方針。約2000人の雇用を計画している。


 約3600台分の駐車場も整備する予定だ。同組合は、同社が開業目標とする2026年秋に向け、今後本格的な工事に入っていく構えだ。


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