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不動産・建設経済局長賞「我が家は古民家」 /長崎県立長崎工業高等学校建築科3年・辻田陽彩

2024年01月04日(木)

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人物

辻田陽彩さん

快適な空間を創造へ内装の多能工目指す

 築65年の純和風の自宅は、さまざまな思い出が詰まっているだけでなく、入母屋屋根や破風など、建築科で学ぶ自分にとってまさに教科書でした。作文の中では、その自宅に踏み台や簡易テラスをつくるなど、長い年月にわたって、より生活しやすくなるような工夫が加えられてきたことや、これからも工夫を続けながら大切に残していきたいとの思いを書きました。


 また、使う人の思いを形にし、その人生に残り続ける建築という分野に携わる醍醐味にも触れました。1年生の時には、将来の夢をテーマにした作文で優秀賞を受賞しましたが、今回、身近な題材で、前回よりも上の賞を受賞できたので本当に嬉しいです。


 1年時の作文では、宮大工になることが夢と書きましたが、卒業後は埼玉県の不動産・住宅建設企業で内装職に就くことを決めました。3年生の〝室内の計画〟の授業で、ふだん当たり前に暮らしている室内は、先人たちの様々な工夫を取り入れることで快適な空間になっているのだと知り、内装施工の魅力を感じたのです。


 内装施工業は、他社が施工した躯体などに対して行うことが一般的かもしれませんが、私が就職する企業は、戸建て住宅を建てる際に関係するさまざまな施工分野を自社で賄っているところが凄いと思いました。また、この会社には昨年、佐世保工業高校を卒業した女性の先輩が就職しており、女性も活動しやすい環境が整えられているところも、選んだ理由です。


 就職後はまず、クロス職人からはじまり、電気工事の技術も学ぶことになるそうです。1年間の研修期間中に資格をたくさん取って、次につながる行動や技術を身に付け、将来的には多能工になって、いくつもの仕事をこなせるようになりたいです。


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