【測量の日特集】長崎県測量設計コンサルタンツ協会・新三役に聞く / 〝地域の守り手〟を継承するために /受発注者が明確な将来像共有し若者へ
2024年06月01日(土)
特集記事
人物
㈲吉川土木コンサルタント 吉川國夫新会長
㈱C―cot 宮﨑直人新副会長
㈱髙松設計コンサルタント 髙松隆介新副会長
―就任の抱負を
吉川会長 とある国の関係者から発注に関して、「地域性は考えていない」と伺ったことがあります。正直、このことには大変驚いたと同時に、従来の考えでは協会員のすべての人が仕事をなくす事もあり得るとの危機感を覚えました。そして、受発注者が思い描く〝地域の守り手〟のモデルまたは将来像について、一緒になって考えていく必要があると認識を新たにしました。県内企業の強み・魅力をしっかりと県や市町の皆様と共有し、今後、長崎の未来を担っていく若い人達に示せるようにしたいですね。
宮﨑副会長 当協会は、全国(上部団体)とのつながりが強く業界の動向など常に新しい情報が入ってきます。そういう会員の皆さんにプラスになる情報をより多く提供していければと思っています。
髙松副会長 まず私自身、総会で三役が交代したことに非常に驚いています。おそらく一番若いであろう私が、経験豊富な諸先輩方の中で副会長という身に余る職を預かり大変恐縮しています。ですが、承認を得て認めていただいたので微力ながら協会の発展に努めて参ります。
―新体制ではどのようなことを
吉川会長 人材育成は10年近い長い期間を要するものです。RCCMの受験資格も大卒者で7年以上の実務経験が必須とされており、資格を取得して業務で本格的に活躍できるのは30歳前後からとなっているのが実情です。若年層の人口流出が顕著な長崎県においては、貴重な将来の担い手を県外へ流出させないように大切に育て活躍の場を多く提供していきたいと強く思っています。そのためには、国県市町からご意見もいただきながら〝求められる県内企業の姿〟を明確にし、必要となる高度技術者レベルの確保に取り組んでいきます。
宮﨑副会長 九州地方整備局においてはBIM/CIM原則適用が導入され、県内においてもいずれ適用されることと思います。それを見据えて、会員企業がすぐに対応できるよう機器等の体制づくりに取り組んでいきたいです。例えば、高額な機器については会員同士で協力しながら対応できればと考えています。DXおよび最先端技術の活用と、仕事量の確保をしっかり検討しながら進めていきたいですね。
髙松副会長 近年は新規会員も増えており、今一度会員メリットを明確にして当協会の存在価値向上に努めたいです。数は力。県内の測量設計・コンサルタント業を営む方々が集まることで、県や市、町に対して貢献できることが多くなり新たな事業などに結び付けていきたいです。
吉川会長 毎年多くの参加があるソフトボール大会やボウリング大会は、会員企業の若い皆さんのひたむきなプレーから力強さが見てうかがえます。一方で、会員各社が集まって意見を述べ合う「垣根を越えて」では、積極的に他社の技術者と交流を深めており頼もしいかぎりです。今後は、社長や上司が同席しないシチュエーションでの開催も、自身の苦労や悩みを共有できていいんじゃないかと考えています。また、コロナ前まで実施していた各振興局との実務者同士の意見交換も復活させたいですね。
宮﨑副会長 長崎は都市圏と違い各種資格取得・技術講習の機会や情報源が限られていると感じています。コロナ禍を経て全国的なオンライン講座も増えてきましたし、協会ホームページを活用してそれらを知るきっかけを作れればと考えています。
―最後に会員に向けてメッセージを
吉川会長 今一度、会員の皆さん一人一人が技術力向上とは何をすべきかを考えていただき、目指す姿に向けて一緒になって取り組んでいきましょう。自主学習によるCPDの取得は困難ですから、正確な講習会情報の発信などを通して技術者支援を行っていきます。
髙松副会長 交流する機会が戻ってきた中で、より多くの会員の皆さんに参加していただける機会を創出していきます。様々な課題などを一人で抱え込まないで聞ける・話せる仲間がいるということを知っていただきたいですね。
宮﨑副会長 会長がおっしゃられたように、技術者・有資格者の皆さんが自身の資格と向き合っていただき、維持またはレベルアップのための自己研鑽に励み、資格の維持に努めていただきたいと思います。私達が全力で応援します。