
長崎工業 建築科3年・井上みことさん
国土交通省と建設産業人材確保・育成推進協議会(事務局・建設業振興基金)が、全国の高等学校の建築や土木学科の生徒を対象に毎年実施している『高校生の作文コンクール』。2024年度は“建設産業についての私の思い”または“日々の学びと私の夢”のテーマの下、952作品の応募があり、県内からは優秀賞で3人が受賞した。今の若者に、現在の社会そして建設業はどのように映っているだろうか―。作品に込めた思いと今後の夢などを聞いた。 |
~大きく変わる長崎のまちづくりに関わりたい~
工業高校は、建築に関係する知識や技術だけでなく、社会や企業との関わり方など、社会に出てからのさまざまな心構えも学ぶ場だと知りました。作文には、高校で感じたこれらのことを素直に書いただけなので、受賞の知らせを聞き、すごくびっくりしました。
建築科に進学したのは、子供の頃に見た住宅のリフォーム番組で、建物に興味を持ったから。高校の授業で専門的に学ぶ中で、より大きな建築物に携わりたいとの思いが強くなりました。さらに、インターンシップで、多くの職種の方々と協力しながら進めていく仕事の形に魅力を感じ、将来は「施工管理」の仕事に就きたいと考えています。
このため高校卒業後は、九州産業大学の建築学科に進学予定です。大学で4年間、深くしっかり学んで知識や経験を積み、長崎に戻ってくるつもりです。
長崎はいま、スタジアムシティなど大きな事業が進んで街が大きく変わってきています。私も、建築物の施工管理の仕事を通して街づくりに関わり、人を喜ばせ社会に貢献できるような成果が残せるよう頑張っていきたいです。
【受賞作品】 強くなった将来の夢 |
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日々、私は3つのことを学んでいます。
1つ目は建築についてです。学校の授業を通して国語や数学などの普通教科だけでなく、色や空間など、人が住むうえで快適に暮らせるような家について学ぶ「計画」や、家が建つまでの工程について学ぶ「施工」、建築基準法などの法律について学ぶ「法規」、荷重がかかったときの反力を求める「設計」など建築について幅広く学んでいます。また、座学以外にも、実際に測量をしたり、鉄筋、コンクリートの材料実験をしたりなど、実習を通して実際に目で見て体で感じることができます。そのおかげで今までとは違う視点で、家についてより興味を持つようになりました。
2つ目は社会で生き抜くための力です。工業高校では多くの人が、卒業した後は就職しています。そのため、入学してからは、あいさつや対応、入退室の仕方など会社で働くうえでの礼儀についても3年 間を通して学んでいます。私自身が成長したと感じることは目上の人に対する言葉の使い方と声の大きさです。中学の時は、「来ました。」などの不十分な言葉ばかり使っていました。しかし、3年たった今では、「いらっしゃいました。」などの正しい言葉で会話できるようになりました。また、中学の時より職員室が広く、大きな声で話さないと声が届かないので、意識して相手に聞こえるように心がけ、大きな声で堂々と話せるようになりました。
3つ目は企業の方との関わりです。インターンシップや、企業説明会、見学会、出前授業など、企業の方とたくさん関わる機会があります。説明会では、働いている人から企業や建設業の魅力についての話をしていただき、長崎の建築業界はどのような現状なのかを教えていただいています。そして実際に現場に行くことで学校にはない職場の雰囲気や作業内容を体験することができました。3つ目のいいところは、企業の雰囲気を知り、自分に合う会社なのかを知ることができるところです。多くの企業の方々と接することで各会社の魅力を知ることができ、自分の行きたい会社を見つけて自分の進路に活かすことができます。このように、専門分野や社会においての礼儀、企業の方々と関わりを通して自分が長崎で活躍できるように多くのことを学んでいます。
この3年間を通して、私は、施工管理という仕事を通して人を喜ばせ、社会に貢献していきたいと強く思うようになりました。この夢を叶えるために、今の自分にできることをして人として成長できるように、長崎で活躍できるように頑張りたいです。 |