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【連載コラム】海辺の街から ~第14回:となりで働くのは、外国から来た仲間~

2025年06月28日(土)

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海辺の街から

松岡いずみ氏

 外国籍の人が日本で働くためには何かしらの在留資格を取らなければなりません。行政書士は、在留資格(ビザ)を取得するお手伝いができます。これまでのお仕事の中で感じたことや現場の話をお伝えしたいと思います。


 最近の建設現場では、ベトナムやフィリピン、インドネシアなど、外国から来た若者と一緒に働くことが増えています。日本語を勉強しながら一生懸命働く姿は、とても頼もしい存在です。


 ただ、現場では「道具の名前」や「作業手順」が伝わりにくく、業界用語も多いため、外国人だけでなく日本人の新人でもあたふたします。


 たとえば「ネコ持ってこい!」と言われて、猫を探してしまうのも“あるある”ですよね。だからこそ、


・怒鳴らない
・ジェスチャーを交える
・実物を見せながら説明する


 「ちょっと右に」といったあいまいな指示も、何センチか、どの位置かをはっきり伝えることで理解しやすくなります。


 最近ではスマホの翻訳アプリを活用する現場も増えました。


 伝わらないのは下手だからではなく、経験が少ないから。小さなミスを「なんでできんとや」と責めるより、「次はこうしような」と伝えるだけで、ぐっと理解が深まります。


 相手に歩み寄る気持ちが、お互いの信頼を育てます。「ありがとう」「おはよう」と笑顔で声をかけるだけでも、心がほぐれ、現場の雰囲気が変わります。


 隣で働く外国人は、“手伝い”ではなく、大事な“戦力”なのです。 


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