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【人が集まり根付く~わが社の取り組み】第二回・㈱植松建設

2025年11月19日(水)

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植松純子常務取締役と山口薫さん

㈱植松建設(植松信安代表取締役・鹿島市)

“人が財産”を生かす職場づくり


【内容】


 2024年度の高年齢者活躍企業コンテストで最優秀賞の厚生労働大臣表彰を受賞した㈱植松建設(佐賀県鹿島市)が注目を集めている。「人が財産」と話す同社は、定年制の撤廃を皮切りに、社員の健康と働きやすさを軸とした職場づくりを推進。地域建設業のモデルケースとして評価を高めている。


【きっかけ】 『定年制撤廃で“技術と人”を守る』


 同社では、60代、70代の熟練社員が多く在籍していた。いずれも高い技術を持つ人材でありながら、定年制度のもとではその力を十分に生かせない。「培ってきた技術を継承し、長く働いてもらいたい」との思いから、定年制を撤廃。年齢に関係なく、希望すれば現役として働き続けられる体制を整えた。この判断により、高齢社員が安心して現場を支えながら、若手への技術伝承も進んだ。社員の「働きたい」を尊重する仕組みが根づいている。

 また、若者の雇用や育児支援にも力を入れ、ユースエール認定やくるみん認定も取得した。


【成果】 『社員の健康と活気が職場を変える』


 定年制撤廃によって社内の一体感が生まれた。ベテランが若手を育て、若手が現場を活気づける循環ができたことで、社内の雰囲気が柔らかくなり、離職率の低下にもつながっている。

 健康面でも、定期健診受診率100%を達成。インフルエンザ予防接種は会社負担で実施し、二次検診や保健指導にも積極的に取り組む。夏季には、個々の体質に合った飲料や食品を購入できるよう、月3000円の熱中症対策手当を支給。社員の健康を守る工夫が現場レベルで根づいている。


【展開】 『“一人一人が続ける健康づくり”へ』


 今後は、健康管理を「会社主導」から「社員一人一人の意識」へと広げていく考えだ。

 とくに喫煙対策では、強制的な禁止ではなく、「なぜ自分の健康を守るのか」を自ら考える機会づくりを重視している。

 他にも、大同生命保険が無料で提供するWebサービス・アプリを活用し「健康診断結果の見える化」を目指すなど、今後はより広い視野で健康経営を続けていくようだ。


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