特集記事

【記念特集】国道57号森山拡幅(森山東IC~森山西IC)開通/地元からも多くの喜びの声

2023年11月29日(水)

特集記事

その他

 国道57号森山拡幅(森山東IC~森山西IC)が11月12日に開通した。同日、諫早市立森山中学校体育館にて開催された開通式典には、主催した国土交通省九州地方整備局長崎河川国道事務所・県・一般国道57号等県南地域幹線道路整備促進期成会のほか、地権者や地元自治会関係者、施工企業、そして県選出の国会議員や、関係市町の首長ら約130人もの来賓・関係者が出席した。


 式典では主催者として国土交通省から加藤竜祥国土交通大臣政務官や大石賢吾長崎県知事、大久保潔重期成会会長が登壇。来賓からも古賀友一郎内閣府大臣政務官や山本啓介参議院議員、徳永達也県議会議長が祝辞を述べた。オープニングセレモニーでは森山中学校3年生が創作ダンスを披露し、開通記念動画では諫早市立森山西小学校、同森山東小学校、同森山中学校、県立諫早東高等学校、長崎日本大学高等学校、県央地域広域市町村圏組合消防本部諫早消防署、島原雲仙農業協同組合、愛野記念病院、島原鉄道㈱、下井牟田自治会などから満面の笑顔での喜びの声が寄せられるなど、関係者と地域が一体となって開通を祝う式典となった。


有明粘土層と戦う工程経て念願の開通へ


 長崎県の中央に位置する諫早は、諫早駅や長崎自動車道諫早ICがあることから県内の交通要衝となっている。この諫早から島原半島の東側を通り、南島原市を結ぶ高規格道路「島原道路」、その一部を構成するのが国道57号森山拡幅事業(延長7・6㌔㍍、雲仙市愛野町~諫早市長野町)だ。諫早から島原地域を結ぶ主要幹線道路は国道57号のみで、特に森山町周辺は交通の集中による渋滞や事故が大きな問題となっており、今回開通した森山西IC~森山東IC区間(約3・3㌔㍍)に平行する国道57号は県内平均の実に約2・5倍の死傷事故件数(交通事故統合データベース2018~21年)。こうした問題の改善を主な目的に1988年度に事業化された。渋滞や事故に悩まされ続けた地元にとって、まさに念願の区間開通となった。


 道路整備を進めるにあたり、立ちはだかったのがほぼ全域にわたる軟弱地盤。加えて民地と島原鉄道の間を抜くルート、鉄道線路が動くことのないよう、変位を詳細に確認しながら有明粘土層と戦う工程となった。民地の傾斜変位は3/1000以下、軌道変位8ミリ㍍以内を確認しながらの作業。変位基準を超えた時の対応も綿密に協議した。支持層も深く、民地・鉄道側はL―dis工法(低変位型高圧噴射工法)、道路中央は深層混合処理工(スラリー攪拌工法)を使い分けながら、杭長は約15~20㍍に及んだ。交通が集中する現道に沿う工事で施工ヤードは限られ、運搬車両の出入りもルールづくりが徹底された。


 こうした苦心を経て開通を迎えた本区間。交通混雑の緩和や伴う安全性向上、緊急搬送道の確保だけでなく、県内の約6割を占める島原半島の農業産出や物流を支え、観光振興を支援する役割が期待される。「いろんなところに行きやすくなって嬉しい」「新しい道路を早く通って島原にいきたい」。開通に寄せられた子どもたちの声が地域の喜びを表した。



開通記念式典(主催者挨拶)

開通区間概要・開通記念セレモニー・イベント


TOP